起源を表すサブステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 14:12 UTC 版)
「モノクローナル抗体の命名法」の記事における「起源を表すサブステム」の解説
語幹に先行するサブステムは抗体の由来となる動物の種を表す。初期のモノクローナル抗体はマウス(サブステム-オ- (-o-) がついて接尾辞が-オマブ (-omab) に変化、通常学名Mus musculus、ないしハツカネズミと呼ばれる)や、他のヒト以外の動物から得られた。INNもUSANもラット(原理的には-ア- (-a-)がつく)やハムスター(-エ- (-e-)がつく)や霊長類(-イ- (-i-)がつく)からの抗体をもはや求めていない。 ヒト以外の動物から得られた抗体はヒトの免疫系に外来抗原として認識され、速やかな排泄、アレルギー反応、もしくはその両者を引き起こす可能性がある。これを避けるために、抗体の一部がヒトの抗体のアミノ酸配列に置き換えられたり、あるいは完全なヒトの抗体が開発されたりする。定常領域がヒトのものと置換されると、生み出された抗体はキメラ(英語版)と呼ばれるようになり、-キシ- (-xi-) のサブステムが用いられる。可変領域の配列が部分的にヒトのものに置換されることもあり、これはヒト化と呼ばれ命名には-ズ- (-zu-) が用いられる。ヒト化抗体の場合、典型的には、可変領域の外側に飛び出る3本のループ状アミノ酸配列で、標的に結合する領域である相補性決定領域 (CDR) を除いた全体がヒトの配列に置き換えられる。抗体の片方の鎖がキメラでもう片方がヒト化されている場合は-キシズ- (-xizu-) を用いる。-キシ- (-xi-)、-ズ- (-zu-)、-キシズ- (-xizu-) の3つのサブステムは抗体の元となった動物種を意味しない。つまり、ヒト/マウスキメラ抗体であるバシリキシマブ (basiliximab) は-キシマブ (-ximab) で終わるが、これはヒト/マカク抗体であるゴミリキシマブ(英語版)でも同様である。完全なヒトの抗体には-ウ- (-u-)を用いる。 ラット/マウスハイブリッド抗体は2つの異なる抗原と結合できる。このような薬品はトリファンクショナル抗体と呼ばれ、サブステム -アクソ- (-axo-) が用いられる。
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