資料としての有用性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:59 UTC 版)
「ウィキペディアへの批判」の記事における「資料としての有用性」の解説
「ウィキペディアの信頼性」および「ウィキアリティ」も参照 ウィキペディアは、ジミー・ウェールズも上記で述べている通り、まともな研究においては一次情報源として使用すべきではないということを認めている。司書のフィリップ・ブラッドリー(Philip Bradley)は2004年10月、『ガーディアン』誌のインタビューにおいて、ウィキペディアの根底にあるコンセプトは「素晴らしい考え」であるとしたが、実用上はこのサイトを使うことはないだろうと述べた。さらに、「使おうとするであろう司書を私は一人も知らない。一番の問題は権威の欠如だ。出版された資料においては、出版者はそれで生活しているので、彼らは情報が信頼できるということを保証しなければならない。しかしこのようなもの(=匿名の不特定多数による電子データの塊であるウィキペディア)においては、すべては窓の外で起きていることだ。」と述べた(→Wikipedia:免責事項)。 『ブリタニカ百科事典』の前編集長ロバート・マクヘンリーは、2004年11月に次のように述べた。 ある主題について学ぶために、あるいはある事実を確かめるためにウィキペディアを訪れる人は、公衆便所を使う人のようなものだ。明らかに不潔であれば、その場合は注意深く使うことができる。あるいは清潔に見えるのであれば、その場合は虚偽の安心感に騙されてしまうことになる。確実に彼が知らないことは、誰がその設備を以前に使ったのかということだ。 — 「The Faith-Based Encyclopedia」(信念に基づく百科事典)テックセントラルステーション、2004年11月15日より CNETは2005年12月15日の記事の中で、「ネイチャー誌に今週掲載された研究によれば、ウィキペディア(訳注:英語版)は、我々をとりまく世界の事実についての由緒ある旗手であるブリタニカ百科事典と比較して、同じくらい正確な情報源だ。」と述べた。ネイチャーによるこの調査は、『ザ・レジスター』の編集者アンドリュー・オーロウスキーによって、次のように批判された。 ……ネイチャー誌は、ブリタニカの記事の中の、誤解を招くような断片だけを校閲者に送り、ブリタニカの子供向け版や「book of the year」から抜粋したものを他者に送った。あるケースでは、異なる記事の断片を単純につなぎ合わせ、独自の素材を挿入し、それをブリタニカの単一の記事であるとして手渡した。…… ブリタニカ百科事典もまた、その研究におけるブリタニカの抜粋は、少年向けの版のために書かれた記事のものを含む編集物であるため「致命的に不備がある」として、ネイチャー誌の研究を否定した。ネイチャー誌はブリタニカの抜粋の一部が編集されたものであるということを認めたが、これによって研究の結論が変わるものではないとした。ブリタニカ百科事典はまた、ネイチャー誌の研究は、2つの百科事典の間のエラー率は似かよっているが、エラーを分析してみると、ブリタニカは「脱落エラー」が多いのに対し、ウィキペディアの方は不正確な事実をより多く含んでいるということを示している、と論じた。 コネティカット大学のジーン・リケンズとバッファロー大学のアダム・ウィルソンは、編集合戦の内容について分析し、科学的に議論が分かれる物より政治的論争を引き起こすようなトピックがよく編集されていたと結論付けた。一方この結果にウィキメディア財団は直ちに反応し、「今回の研究結果では発見を誇張して説明しており、事実がねじまげられている。たとえば、研究者は編集の頻度と記事の不正確さの関連性をはっきりと示してはいない。単に『議論を巻き起こす』トピックが『議論を巻き起こす』ことを説明しただけだ」と反論した。
※この「資料としての有用性」の解説は、「ウィキペディアへの批判」の解説の一部です。
「資料としての有用性」を含む「ウィキペディアへの批判」の記事については、「ウィキペディアへの批判」の概要を参照ください。
- 資料としての有用性のページへのリンク