試験と派生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 00:47 UTC 版)
M240の採用にあたっては、1960年代後期-1970年代初期にわたって検討された7.62mm同軸機銃(およびM85 50口径(12.7mm)同軸機銃)更新プロジェクトが発端となっている。この計画は、1980年代から運用する同軸機銃を選定することが主目的であったが、同時に歩兵用途・車両搭載用途としても転用できるように考慮したものであった。さらに、1990年代-2000年代にかけて、別の用途にも応用できるように見越してあった。 この計画が進行している間、1970年代に陸軍は装甲車・車両搭載用の新しい7.62mm機関銃を探していた。1950年代のM73はトラブルが多く、これを元に開発されたM73E1・M219は大して改善されなかった。このため、他国のいくつかの機関銃を採用することも検討され、最終的にはM60E2とFN MAGに絞られた。M219を含め、これらは大規模な射撃試験にかけられた。 採用経緯から、特に二つの重要な要因が重点的に試験された。 射撃停止発生平均間隔弾数 MRBS(Mean Rounds Between Stoppages、数分以内に解決するジャム) 動作不良発生平均間隔弾数 MRBF(Mean Rounds Between Failure、例えば部品の破損) この試験の評価結果は下記の通り。 形式発射弾数MRBSMRBFFN MAG 58 50,000 2,962 6,442 M60E2 50,000 846 1,669 M219 19,000 215 1,090 基準最低値 850 2,675 要求最低値 1,750 5,500 注意すべき点は、このリザルトは1970年代に製造されたものの試験結果であるということである。M240自体もFN MAGに対して幾分かの改良を施され、M60E2も同軸機銃版に特化された。M60の性能は派生型により異なり、改良された派生型、例えばM60E4やM60Cでは結果が異なることが予想される。 テストの結果、FN MAGのみが完全に要求を満たし、満足できる結果を出して陸軍のコンペに勝利し、1977年に「M240」という名称で制式化された。1980年代の間に同軸機銃と車両搭載用機銃を置き換えた。後に歩兵部隊用にM240B・M240Gとして採用された。1991年から陸軍の作戦で運用され、また、海兵隊においては摩耗したM60E3を置き換えるために配備された。ただし、必ずしもM60のすべての用途をM240が置き換えるという訳ではない。
※この「試験と派生」の解説は、「M240機関銃」の解説の一部です。
「試験と派生」を含む「M240機関銃」の記事については、「M240機関銃」の概要を参照ください。
- 試験と派生のページへのリンク