試験と問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/22 19:24 UTC 版)
最初の建造例であるN.S.1は1917年2月1日に初飛行試験が実施された。予備試験では満足なものと考えられた。この船は速度80km/hに達しており、操舵が容易だった。さらに2回の飛行試験が4月に実施され、2度目の飛行試験は、キングズノースからメイデンヘッド、ファーンボロー、ギルフォード、そしてまたキングズノースへ帰還するという長距離の縦走往復飛行であった。 この飛行の成功の後、1917年4月18日、N.S.1はより広汎な試験のため、ノーフォーク州にあるイギリス海軍航空隊プルハム基地へ移された。次の数週間に、飛行中に遭遇した小さな問題は解決され、それから6月5日に全面的な耐久試験を行うことが決定された。しかし飛行中、ちょうど16時間を経過したときにプロペラ駆動軸中の一つの自在継手が破損し、飛行船はプルハム基地へ引き返した。後の6月26日午前6時、飛行船は空に戻り、6月28日の午前7時22分まで滞空した。飛行時間は49時間22分、この間に飛行船は2,472kmを行動し、航行中には些細な技術的問題だけが生じた。これは当時、全ての形式のイギリス飛行船の最高記録だった。 キングズノースで行われたN.S.2の初期の試験も満足なものだったが、しかし6月27日、N.S.1と同様の耐久試験の際に飛行船は操縦不能となった。船はガスを失い、サフォーク州ストゥマーケット近辺に着陸を試みて破壊された。 N.S.3は、キングズノースでの6月の試験に引き続き、1917年7月22日、この飛行船の運用上の根拠地となるRNASイーストフォーチュン基地にて11時間の連続飛行を行った。イーストフォーチュン基地でこの飛行船は、9月6日にN.S.1と、また10月15日にはキングズノースからのN.S.4と合流した。N.S.5は12月12日にイースト・フォーチュン基地へ向け出発したが、しかし、両舷のエンジンが目的地の見えるところで故障し、修理を終えるまでにN.S.5は16kmほど風で漂流した。この船の両舷のエンジンは故障がちであることから係留状態で地上にとどめられることが決定された。この試みの間、N.S.5は修理を越えて損傷を出した。
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