設計と構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 13:43 UTC 版)
「Harvard Mark I」の記事における「設計と構成」の解説
ASCCを構成しているのはスイッチ、リレー、歯車式の計算装置(タイガー計算器などの計算部分のような機構。英語版記事 en:Pinwheel calculator などを参照)、クラッチなどである。765,000個の電気機械部品と数百kmの電線を使って作られ、全長16m、高さ2.4m、奥行きは約60cmである。その重量は約4.5tであった。基本計算装置は機械的に同期して動作するため、15.5mの軸で接続されていて、4kW(5馬力)の電動モーターで駆動される。IBMのアーカイブには次のように記されている。 Automatic Sequence Controlled Calculator (Harvard Mark I) は長い計算を自動的に実行できる世界初の機械だった。プロジェクトはハーバード大学のハワード・エイケン博士の設計を基にしており、IBMの技術者が構築を行った。計算機を格納する鋼製のフレームは長さ16m、高さ2.4mで、そこに深さ数インチの連動パネルが重ねて設置されていて、各パネルに小さな歯車、カウンタ、スイッチ、制御回路などが配置されている。ASCCは総延長800kmの電線を使っており、300万箇所を電線で相互接続し、3,500個の多極リレー、35,000個の接点、2,225個のカウンタ、1,464個の十極スイッチ、72個の加算機(精度は23桁)で構成されている。それは産業界では最も大きな電気機械式計算機であった。 Mark I の筐体(フレームカバー)はインダストリアルデザイナーのノーマン・ベル・ゲデス(英語版)のデザインだった。エイケンはこのような精巧な筐体は資源の浪費だと考えており、戦時中の計算需要の高さから、筐体に払う金(グレース・ホッパーによれば50万ドル)があったら追加の計算装置を構築できたのにと言っていた。
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