角膜上皮剥離および角膜穿孔外傷
5.角膜上皮剥離および角膜穿孔外傷(黒目に直接物があたった,つきささった) ![]() | ・ひとみ中央部の角膜に傷がつくと,一過性に視力障害を起こします。 ・角膜上皮剥離だけでは,2~3日で痛みもとれ,よほど広範囲の上皮剥離でなければ1週間ほどで完治します。後遺症の心配はありません。 ・角膜の上皮だけの障害の場合以外に,角膜の実質まで深い傷を起こすと,その他の病気をひき起こしたり,後遺症として視力障害を起こします。 (1)角膜上皮剥離・・・角膜上皮に傷ができることをいいます。 ちょうど皮ふにけがをしたときのすり傷と同じで,角膜の上皮がはがれた状態になります。原因としては,紙の切れはしが当たったり,他人の指が入ったり,まぶたを閉じる間もなくボールが当たったり,メガネのガラスが破損して傷をつけたり,コンタクトによって傷をつける場合など外傷原因はさまざまです。 鉛筆の芯が突き刺さったり,針が突き刺さった等,先端が非常に鋭利なものを誤って目に突き刺した場合や,カナヅチ等で物をたたいたとき,カナヅチの鉄片が欠けて目の中に飛び込み,角膜をつきぬけて目の中に深くつきささる(眼内鉄片異物という)場合などに起こります。角膜穿孔を起こすと,まぶたをあけることができず,しかも著しい視力低下を起こしてきます。また,目から温水が一瞬流れ出た等の訴えがあります。眼科医が角膜穿孔を認め,眼内鉄片異物の・疑いのあるときは,異物がどこにあるかを調べるためにレントゲン撮影を行ないます。鉄片の場合は磁石でとり出せますが,鉛筆の芯等,非磁性異物の場合は,それが目の奥に入っていればいるほど取り出すときに目の組織を傷つけるため手術がむずかしく,その分だけ視力回復も困難となります。また,飛入した異物に細菌がついていると,感染により角膜や眼球内が化膿し,全眼球炎を起こし,最悪の場合,眼球の内容物をすべて取ってしまう手術(眼球内容除去術)をしなければならなくなります。
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![]() | 角膜にイガが刺さっても角膜をつき抜けることはまずありません。決して目をこすったり,強くおさえないでください。それだけイガが角膜の奥に入りこむ危険性があります。イガの先が非常に小さいため,また,コシが弱いため,顕微鏡でピンセットを使ってとり出しても,途中で深いところで残ることもあります。イガの先は汚ない場合が多く,十分な治療が必要です。 | |
Q.ハチに目を刺されました。(毛虫の毛が入りました)どうすればよいですか ![]() | ・角膜を刺された場合・・・傷がつくだけではなく,毒が目に入って角膜の濁りを起こしたり,汚染される場合が多いので,他の異物に比べると感染の危険は大きいといえます。 ・まぶたを刺された場合・・・湿布をするのもよい方法です。しかし,アンモニア等は絶対にかけてはいけません。 ・毛虫の毛が入った場合・・・目の中で強い炎症(虹彩毛様体炎)を起こし重篤な病気にもなる場合があるので気をつけてください。 | |
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