西部劇の黄金期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:26 UTC 版)
そして第二次大戦が終わって後に西部劇は黄金時代を迎えて、1960年頃まで多数の名作を生んだ。また多くの俳優が西部劇で主演を演じて、その中からゲイリー・クーパー、ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、グレゴリー・ペック、ジェームズ・スチュアートらの大スターが西部劇から育っていった。 ジョン・フォード監督のヘンリー・フォンダ主演でワイアット・アープとクラントン一家との対決を描いた『荒野の決闘』(1946年)、そしてジョン・ウェイン主演で後に騎兵隊三部作と言われた『アパッチ砦』(1948年)・『黄色いリボン』(1949年)・『リオ・グランデの砦』(1950年)、今日では最高傑作とされる『捜索者』(1956年)、そしてウィリアム・ホールデンと共演した『騎兵隊』(1959年)、ハワード・ホークス監督のジョン・ウェイン主演『赤い河』(1948年)、ジョン・ウェインとディーン・マーティン主演『リオ・ブラボー』(1958年)、ヘンリー・キング監督のグレゴリー・ペック主演「拳銃王」(1950年)、デルマー・デイヴィス監督のジェームズ・スチュアート主演『折れた矢』(1950年)、そしてフレッド・ジンネマン監督のゲイリー・クーパー主演『真昼の決闘』(1952年)、ジョージ・スティーブンス監督のアラン・ラッド主演『シェーン』(1953年)、ジョン・スタージェス監督のバート・ランカスターとカーク・ダグラス主演で「荒野の決闘」と同じく西部開拓史上最も有名な決闘を描いた『OK牧場の決斗』(1957年)などの名作が世に送り出された。 この時期の『捜索者』・『真昼の決闘』・『シェーン』の3作品は、戦前の『駅馬車』と合わせてアメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が1998年と2008年に行った「偉大なアメリカ映画ベスト100」で西部劇部門の最上位を占め、1998年は『真昼の決闘』が、2008年は『捜索者』が西部劇映画のトップとして評価されている。 またこの時期にジョン・スタージェス監督の「ブラボー砦の脱出」、『ガンヒルの決斗』、ロバート・テイラー主演『ゴーストタウンの決斗』そして「六番目の男」、キング・ヴィダー監督のグレゴリー・ペック主演『白昼の決闘』そして「星のない男」、ラオール・ウォルシュ監督の『死の谷』「追跡」「決闘一対三」、ヘンリー・キング監督の「無頼の群」、ロバート・アルドリッチ監督の「アパッチ」『ヴェラクルス』「ガンファイター」、ウィリアム・ワイラー監督でグレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストン主演の『大いなる西部』とゲイリー・クーパー主演の『友情ある説得』、デルマー・デイヴィス監督でグレン・フォードとヴァン・ヘフリン主演『決断の3時10分』、リチャード・ウィドマーク主演「襲われた幌馬車」、グレン・フォード主演「カウボーイ」そしてゲイリー・クーパー主演『縛り首の木』、アンソニー・マン監督の『ウインチェスター銃73』『裸の拍車』『ララミーから来た男』『怒りの河』『遠い国』『胸に輝く星』『西部の人』、エドワード・ドミトリク監督でヘンリー・フォンダとリチャード・ウィドマークとアンソニー・クイン主演の『ワーロック』そして「折れた槍」、スチュアート・ギルモア監督の「落日の決闘」、フランク・ロイド監督の「アラモの砦」、ロバート・ワイズ監督でロバート・ミッチャム主演の「月下の銃声」、ニコラス・レイ監督の『大砂塵』『無法の王者ジェシイ・ジェイムス』、ジョージ・マーシャル監督の「燃える幌馬車」、オットー・プレミンジャー監督のロバート・ミッチャムとマリリン・モンロー主演で初のシネマスコープ作品『帰らざる河』、ジョン・ヒューストン監督のバート・ランカスターとオードリー・ヘプバーン主演『許されざる者』、ロバート・D・ウエッブ監督のロバート・ライアン主演「誇り高き男」、ヘンリー・ハサウェイ監督の「狙われた駅馬車」「向こう見ずの男」そしてゲイリー・クーパー主演『悪の花園』、アーサー・ペン監督ポール・ニューマン主演でビリー・ザ・キッドを描いた「左ききの拳銃」などが製作された。 そして1960年代に入るとジョン・スタージェス監督のユル・ブリンナーとスティーブ・マックイーン主演『荒野の七人』、マイケル・カーティス監督の『コマンチェロ』、ジョン・フォード監督の『バファロー大隊』『リバティ・バランスを射った男』『シャイアン』、また西部劇スターが製作監督してジョン・ウエイン監督で初の70ミリ作品『アラモ』、マーロン・ブランド監督の「片目のジャック」、そして西部開拓の歴史を家族の一代記としてオムニバスで描いたヘンリー・ハサウェイとジョン・フォードとジョージ・マーシャル監督の初のシネラマ作品『西部開拓史』などの作品が続々と製作された。
※この「西部劇の黄金期」の解説は、「西部劇」の解説の一部です。
「西部劇の黄金期」を含む「西部劇」の記事については、「西部劇」の概要を参照ください。
- 西部劇の黄金期のページへのリンク