衰退後から現代までのペッパーボックスピストル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/11 09:05 UTC 版)
「ペッパーボックスピストル」の記事における「衰退後から現代までのペッパーボックスピストル」の解説
衰退後においても、米国では同様の「複数銃身を持つ拳銃」が「ペッパーボックスピストル」と呼称される。これは広義の用法であり、回転銃身方式ではなく、形状も「コショウ挽き」との類似性はもはや無くなっている。「3本以上の複数銃身」を指すため、COP357に似たフレーム構造で上下2連式のデリンジャーはペッパーボックスに含まれない。現代では衰退したものの、近代技術を使用したペッパーボックスピストルが小型連発拳銃の需要に応じて製造され、使用されている。以下にその銃を列記する。 4連シャープスポケットピストル アレン社のペッパーボックスピストル衰退後も、小型連発拳銃としての用途から、超小型の「ポケットピストル」と呼ばれる銃種でその後も残った。シャープスはその代表的な銃である。 COP .357 米国のマイナーメーカーCOP社の製造した357マグナム弾を発射できるポケットピストル。4連装銃身を持つ銃であり、小型拳銃ながら通常サイズに匹敵する横幅がある。その先鋭的なデザインからSF映画などでも使用され、『ブレードランナー』や『マトリックス・リローデッド』などで登場している。 H&K・P-11 ドイツのヘッケラー&コッホ社が開発した水陸両用ピストルで、特殊部隊などで使用される。電気発火式の5連発銃身を持ち、全弾発射後は、銃身の束ごとフレームから外して入れ替えることで再装填する。 SPP-1 ロシア軍が開発した4連発水陸両用ピストル。上記P-11と同種。薬莢の先に長い弾頭を装備した弾薬を使用するのが特徴。いわゆる水中銃の発射ソースを通常の薬莢式にし、陸上でも使用可能とした銃である。 アパッチ・リボルバー アパッチ・ピストル。アパッチ・ナックルダスターとも。ナイフとナックルが一体化した折り畳み式ペッパーボックス。主にフランスで愚連隊の喧嘩道具として用いられた。 リード・ナックルダスター(Reid Knuckle Duster) 22口径の弾薬を使用する5~7発の小型のリボルバー拳銃で、銃身は無く発射口の穴が開いているだけ。主に女性の護身用として販売されていたため、色が金銀で装飾性が高いものも多い。リボルバー部分はネジ止めされており、弾薬の装填にはシリンダーの取り外しが必要。 87式ナイフピストル 中国製。特殊部隊用でナイフの柄に4銃身が仕込まれたペッパーボックス。使用弾薬は22LR。発砲は最後の切り札のようなもので、ナイフとしての機能が優先されている。射程も短く、ごく至近以外では命中は期待出来ない。 バックルガン ベルトのバックルに偽装した縦列4銃身式ペッパーボックス。バックルを開いて横向きの銃身を正面へ展開するギミックを持った特殊銃。引金はボタン式で突き出した突起を押し込んで発射する。 ナチスドイツ親衛隊(SS)が使用したと言われるが少数が試作されたのみで、現在流通している物は、ほとんどが戦後に制作された贋物である。 トロイカ 旧ソ連製。縦列3銃身型のペッパーボックスだが、空包によって青酸アンプルを破裂させ、至近距離の対象に浴びせる暗殺用の拳銃である。
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