衣類特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 23:40 UTC 版)
形状と用途 形状は左右1対の前布と後布から成り、四幅織物で仕立てる袴で、襠があるのが特色となっている。腰回りがゆったりとしており、上に着用した着物の裾をズボンの中に入れるようにした袴である。大方は腰板は付けず、袴をはく際には上部にある紐で結んで腰回りを調整して着装する。裾は両脚に分れ労働に適した構造から、農山村地帯の農耕、その他の労働に際して着用する仕事着、あるいは日常生活の家着として用いる。東北地方、日本海側地方、中部地方などの寒冷地では防寒着を兼ねて幅広く使用した。 素材と様式 素材は木綿、絹、梳毛糸や紡毛糸による綾織物の反物や、工業が発達した近代以降は化学繊維や合成繊維などでも仕立てた。無地の他に、絣や縞模様など柄物もある。用途ごとに裾や膝下を細くする、絞る、括るなど作業着であることから複数の様式がある。 地域 農山村地帯では男女共に着用したが、男性の作業着は股引や猿袴(サルッパカマ)があり、主に女性が労働する際に使用する袴を指した。洋服の普及以前は、農山村では、欠くことのできない仕事着であった。1960年代に洋服が日常着として一般化して以降は、ズボンや一層活動的な類似した作業着に切り替わってきている。都市にあっては特殊な仕事に従事する職人などが使用した。 語源 語源については不明、明治時代から昭和前期の風俗史家である宮本勢助は「山袴の話」(1937年)において、山形または米沢の人物、または紋平などという人物が始めたなどの珍説があるものの、通俗語源説の域をでないと有力視はされていない。もんぺという言葉自体は、山袴、裁着、軽衫などよりも新しい呼称としている。
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