虫プロダクション株式会社(新虫プロ)
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「虫プロダクション」の記事における「虫プロダクション株式会社(新虫プロ)」の解説
虫プロダクション株式会社は、日本のアニメ制作会社。 旧虫プロの労働組合が中心となって設立された。設立時の筆頭株主は労働組合であり、資本金1200万円のうち500万円を出資した。設立時のその他の株主は、日本ヘラルド映画が300万円、日活が200万円、その他で200万円。 設立時に、手塚治虫から再建への支援として旧虫プロ時代に製作された商業アニメーション作品の著作権の全てが新虫プロに譲渡されたため、旧虫プロ作品の著作権管理も主な業務になっていた。本社は東京都練馬区富士見台二丁目30番5号。一般社団法人練馬アニメーション幹事。主に上映会形式・親子映画向けのアニメーション映画の制作を行っている。テレビアニメーション作品は再建への協力の一環として手塚が企画・監修として参加した1986年の『ワンダービートS』のみで、唯一の原作無しのオリジナル作品でもある。 手塚治虫を起源としているが、虫プロダクションと手塚プロダクションは資本的には全く別の企業である(しばしば両者を混同した記述例が見うけられる)。ただし、手塚治虫と共同でアニメ作品を手がけている点から両企業の間には手塚本人や作品を通じての関係というものは存在した。 全国労働組合総連合傘下の映像・文化関連産業労働組合の事務所は2008年まで虫プロ社内に間借りし、委員長を社員である有原誠治が務めていた。 2018年、社長である伊藤叡が死去し、コンテンツ制作会社「ココロフリー」の代表である中村旭希が経営を引き継いだ。しかし、同年を境にアニメーション制作事業を休止する。『あしたのジョー』(第1作)の版権がトムス・エンタテインメントに移管されたのを筆頭に、旧虫プロ作品の版権も伊藤が亡くなるまで切り売りが進められた。 経営陣一新後の新虫プロの収入源はわずかに手元に残った作品の版権管理や教育映画の通信販売事業だけであり、経営状況は悪化の一途を辿るようになる。2019年には人の出入りもまばらになり、家賃の支払いも滞った。相続人である手塚悦子(手塚治虫の妻)の再三に渡る催促に、経営者から「会社再生プランを作成しているので待ってほしい」との回答があったが、状況は改善しなかった。遂に相続人と新虫プロの交渉は決裂し、長期間未払いとなっている家賃約1148万円の返済と建物の明け渡しを求めて訴訟を起こしたことが、2021年10月に一部メディアの報道で明らかになった。東京地方裁判所が2022年7月12日に相続人側の主張を事実と認め会社に対し明け渡しと賃料の支払いを命じている。
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