藤里村 (秋田県)とは? わかりやすく解説

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藤里町

(藤里村 (秋田県) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 04:33 UTC 版)

ふじさとまち 
藤里町
峨瓏の滝(2009年8月)
町庁舎位置
藤里町旗 藤里町章
1963年11月1日制定
日本
地方 東北地方
都道府県 秋田県
山本郡
市町村コード 05346-5
法人番号 9000020053465
面積 282.13km2
総人口 2,474[編集]
推計人口、2025年10月1日)
人口密度 8.77人/km2
隣接自治体 能代市大館市北秋田市山本郡八峰町
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町中津軽郡西目屋村
町の木 ブナ
町の花 フジ
町の鳥 クマゲラ
藤里町役場
町長 佐々木文明
所在地 018-3201
秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴8
北緯40度16分42秒 東経140度15分42秒 / 北緯40.27828度 東経140.26169度 / 40.27828; 140.26169座標: 北緯40度16分42秒 東経140度15分42秒 / 北緯40.27828度 東経140.26169度 / 40.27828; 140.26169
外部リンク 公式ウェブサイト

― 市 / ― 町・村

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太良峡

藤里町(ふじさとまち)は秋田県の北端に位置する

地理

白神山地の南側に位置し、町の北西部県境にある白神山地は世界遺産に登録され、登録区域の約4分の1(秋田県側のすべて)が藤里町の町域内にある。

米代川水系の粕毛川藤琴川が合流する地点にある藤琴地区は、町役場があるほか小規模な商店街が形成されている[1]

かつて町内の民家は茅葺き屋根が大半であり、曲り家もあったが、火災防止の観点から1959年(昭和34年)9月、「萱山管理替条例」が制定され、町が無償でトタン板を提供する代わりに萱山を町に返還してもらい、新たな秋田杉造林用地とするユニークな施策がとられた[2]

隣接している自治体

隣接している自治体のうち、能代市・西目屋村以外は、交通手段が存在しないまたは整備されていない自治体である。

人口

藤里町と全国の年齢別人口分布(2005年) 藤里町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 藤里町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
藤里町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 6,769人
1975年(昭和50年) 6,179人
1980年(昭和55年) 5,837人
1985年(昭和60年) 5,616人
1990年(平成2年) 5,291人
1995年(平成7年) 5,024人
2000年(平成12年) 4,708人
2005年(平成17年) 4,348人
2010年(平成22年) 3,848人
2015年(平成27年) 3,359人
2020年(令和2年) 2,896人
総務省統計局 国勢調査より


行政

町長

町議会

  • 定数10[6]

歴史

水無沼と菅江真澄の碑
  • 1955年昭和30年)3月31日 - 藤琴村粕毛村が合併、 藤里村が成立した。町名の由来は藤琴村の「藤」と、粕毛村の景勝地であった素波里の「里」を合わせたものである。
  • 1963年(昭和38年)11月1日 - 町制施行。同時に町章を制定する。
  • 2020年(令和2年) - 全国的な新型コロナウイルス感染症拡大を受け、翌年にかけて成人式などのイベントが中止になる[7]

産業

太良鉱山跡地

1958年(昭和33年)の水害で休山となった太良鉱山をはじめ、町内では近世以前から多数の鉱山が開発されてきた[8]

  • 白神山地ワイン
    町内産のブドウを用いたワイン[9]。当初は醸造は山形県醸造所で行われていたが、2015年の酒類の地理的表示に関する表示基準を定める件を受け、2021年からは町内にワイナリー施設が新設され、ブドウ栽培からワイン醸造まで一貫して町内で行われるようになった[9]
  • 白神山地まいたけ
    1990年より町営で生産を開始[10]
  • 白神りんどう
    2009年(平成21年)に栽培が始まった[11]
  • サフォーク
    肉用牛の飼育が盛んな藤里町において、より手軽に飼える家畜として1987年(昭和62年)に導入され、町によって奨励されてきた[12]。町内産のホゲット肉を食べられる町営の観光施設「サフォークの館」も設けられた[12]。なお町営牧場がある大野岱は、1946年から1949年にかけて引揚者や地元次男・三男など27戸が入植した戦後開拓地である[13]
  • アルビオン 白神研究所
    化粧品原料の植物栽培や研究開発の拠点として2010年(平成22年)、旧米田保育園にて開所[14]

公共機関等

国の機関

林野庁 東北森林管理局
  • 藤里森林生態系保全センター

町の機関

  • 藤里町役場

警察

秋田県警察 能代警察署
  • 藤里駐在所

消防

能代山本広域市町村圏組合消防本部
  • 二ツ井消防署 藤里分署

郵便局

  • 藤琴郵便局

当町の集配業務は、能代市の二ツ井郵便局が担当する。

教育

かつて存在した学校

交通

町には鉄道は通っていない。

かつては町内を張り巡るような森林軌道があり、トロッコのほかガソリンカーが走っていたが、1958年8月の水害で大半が被災し、その後廃止となった[2]

道路

町内に国道や主要地方道は存在しない。

能代市二ツ井町と結ばれる県道が、町へのアクセス路となっている[15]

路線バス

かつては秋北バスが乗り入れていたが、2025年9月をもって町から撤退し、後継のデマンド型交通として町内と二ツ井、能代の病院などを結ぶ「駒きゅう」と、町内完結の「駒わりくん」が運行されている[16]

秋北バスは、2024年6月時点では北部の真名子地区から藤琴、二ツ井駅前を経て能代厚生医療センターに至る真名子・能代線や、二ツ井駅を起点として藤琴を経て米田地区に至る路線が運行されていた[17]。同年秋に一部が短縮・廃止され[18]、2025年9月に完全廃止となった。なお、真名子・能代線は2014年度より国の補助金を受けていた[17]

名所・旧跡・観光スポット

岳岱自然観察教育林のブナ
ニッコウキスゲが咲く田苗代湿原
白神山地世界遺産センター
ゆとりあ藤里

農家民宿が多く所在し、特に粕毛地区は民宿が集積する「粕毛 はなの民泊通り」がある[19]

文化・名物

  • 藤琴豊作踊り(県の無形民俗文化財)
    駒踊りや獅子舞などから成り、毎年9月の藤琴浅間神社祭典で披露される[25]。初代秋田藩主・佐竹善宣国替え以来の歴史を持つと言われる[25]
  • 根城相撲
  • 市日(1のつく日)
    幕末には既に行われていたと言われ、1967年(昭和42年)に大町・荒町から琴町通りに移転した[2]
  • 牛のなんこ鍋(通称:もひ)[26]
  • 粕毛そば - つなぎに豆粉を使う[26]
  • 氷菓子「じゃんぷ」[26]

昭和期までは「笹ゲラ」と呼ばれる雨具として用いられており、町の有形民俗文化財となっている[27]

出身人物

脚注

  1. ^ 資料”. 藤里町. 2025年10月26日閲覧。
  2. ^ a b c 『藤里町:写真集』藤里町教育委員会、1983年11月。doi:10.11501/9539380 
  3. ^ 任期満了日一覧 - 秋田県選挙管理委員会
  4. ^ 藤里町長選挙(2011年7月31日投票) - 政治山
  5. ^ 藤里町長選挙(2015年8月2日投票) - 政治山
  6. ^ 藤里町議会議員一覧 - 藤里町 (PDF)
  7. ^ 冬の成人式、13市町村が来年度に延期”. 朝日新聞DIGITAL (2020年12月15日). 2025年8月22日閲覧。
  8. ^ 益子清孝「借区開坑願からみた藤里町の鉱山」『秋田県立博物館研究報告』第11号、秋田県立博物館、1986年3月。 
  9. ^ a b アルビオン白神研究所抽出研究棟・ALBION Shirakami Vineyard & Wineryのプレス発表会を開催』(プレスリリース)アルビオン、2022年6月3日http://www01.rashisa.albion.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/2022.6.3.pdf 
  10. ^ “赤字でブランド存続危機…「白神山地まいたけ」生産引き継いで 藤里町、事業者を公募”. 秋田魁新報社. (2025年3月7日). https://www.sakigake.jp/news/article/20250307AK0013/ 
  11. ^ 特集:白神りんどう 出荷最盛期へ」『しらかみ』第298巻、あきた白神農業協同組合、2023年8月、2-3頁。 
  12. ^ a b 『羊肉生産と地場消費に関する調査報告書』日本緬羊協会、1994年2月、13-18頁。doi:10.11501/13304530 
  13. ^ 『戦後開拓のあゆみ』秋田県、1973年、171頁。doi:10.11501/11992186 
  14. ^ アルビオン白神研究所 旧米田保育園で開所」『広報ふじさと』第504巻、藤里町、2010年8月、4頁。 
  15. ^ 「ふじさとReデザインプロジェクト」エリアデザイン業務委託報告書~エリアデザイン10か年計画書~【概要版】”. 藤里町. 2025年10月22日閲覧。
  16. ^ “藤里町の乗合タクシー、能代市まで運行区域拡大 路線バス廃止で10月から”. 北羽新報社. (2025年9月20日). https://www.hokuu.co.jp/?p=32788 
  17. ^ a b 藤里町地域公共交通計画』(レポート)藤里町、2024年6月https://www.town.fujisato.akita.jp/up/files/town/soshiki/c52/c74/藤里町地域公共交通計画.pdf 
  18. ^ 令和6年10月1日 時刻表改訂のお知らせ”. 秋北バス. 2025年10月25日閲覧。
  19. ^ 「粕毛 はなの民泊通り」の取組”. 秋田県あきた未来創造部. 2025年10月25日閲覧。
  20. ^ a b 町制施行50周年記念 藤里町のあゆみ”. 藤里町. 2025年10月25日閲覧。
  21. ^ a b c 白神山地周辺地域における環境共生型地域整備計画調査報告書』(レポート)林野庁、1996年3月、112-126頁https://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/kakusyu_siryo/pdf/00536_0_h7_all_part2.pdf 
  22. ^ 『新あきた風土記 県北編』秋田魁新報社、1982年6月、196-207頁。doi:10.11501/9570770 
  23. ^ 特集:電源地域のサクセスストーリー 地域を牽引する第三セクター 藤里開発公社」『地域のひろば』第185巻、電源地域振興センター、2003年12月。 
  24. ^ a b 大竹伸郎「秋田県藤里町における農業の6次産業化の現状と課題」『環境共生研究』第16号、獨協大学環境共生研究所、2023年。 
  25. ^ a b 藤琴豊作踊りデジタルアーカイブ”. 藤里町. 2025年10月25日閲覧。
  26. ^ a b c 粕毛地域イラストマップ”. 秋田県. 2025年10月26日閲覧。
  27. ^ Pick Up! 文化財 〜第4回「笹ゲラ」〜」『文化財だより』No.5、藤里町教育委員会、2021年1月15日。 
  28. ^ 秋田魁新報社『秋田魁年鑑 1959年版』、1959年、p.546
  29. ^ 7月30日(土)午後3時~放送 Vol.2『川村文子』 秋田人物伝 - 秋田テレビ

関連項目

外部リンク




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