船霊信仰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 10:20 UTC 版)
船霊(ふなだま)とは海の民が航海の安全を願う神。船玉とも表記する。地方により、フナダマサン、フナダンサン、オフナサマなど、様々な異名がある。 御神体が有る場合は、人形、銅銭、人間の毛髪、五穀、賽などを船の柱の下部、モリ、ツツと呼ばれる場所に安置し、一種の魔除け・お守り的な役目を果たす。また、陸上に船霊を祀る神社をおく場合もある。近年では地上の神社のお札を機関室などに納めることが多い。 日本では船霊は女性の神であるとされる。海上に女性を連れて行ったり、女性が一人で船に乗ると、凶事があるとして忌む傾向がある。元来は巫女が入ったものと考えられ、その女性を指して「オフナサマ」といったためにこのようなタブーができたと考えられる 船霊を祀るのは漁民、船大工などが主である。船が完成すると棟梁は船霊をまつる儀式を執り行う。 海外で船霊にあたるものとしては、中国の媽祖などが近い存在であるとされている。 西洋においては航海の安全を祈願しバウスプリットの根元から船首にかけて、船首像(フィギュアヘッド)と呼ばれる女神の像を取り付ける習慣があり、日本でも西洋式の帆船で採用例がある。現代の軍艦には採用されないが、アメリカ海軍の空母には艦内にキリスト教の礼拝所(小教会)が設けられている。
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