自然美の賛美と風景式庭園の発展とは? わかりやすく解説

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自然美の賛美と風景式庭園の発展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 20:50 UTC 版)

イギリス式庭園」の記事における「自然美の賛美と風景式庭園の発展」の解説

イギリスにおいて風景式庭園着想生まれ発展遂げた背景には、古典主義写実的な風景画影響があったと考えられている。即ち、17世紀クロード・ロランなどが地中海風景古代建築描いた絵画イギリス貴族の間で流行し、彼らの邸宅の壁に飾られることとなったが、さらに彼らは、壁の絵ではなく窓外現実風景にこれら絵画のような理想的風景造り上げることを望むようになったのである風景式庭園基礎築いたウィリアム・ケントが、庭師経験のない画家だったことは、象徴的な事実である。 ランドスケープガーデンにある景色現実のものからの写されるのであることはめったにない作庭者らはロマンチックな絵画アルカディア風景神話シーンとして描いた特にニコラ・プッサンサルヴァトル・ローザクロード・ロランらの絵画インスパイアされた。 ランドスケープガーデンは文学絵画から、そして象徴メッセージ満たされる寓意あるよう設計されていく。通常エデンの園におけるガーデン・オブ・パラダイス、あるいはローマ神話牧歌的なアルカディアレクリエーション、あるいは人類の歴史全世界歴史的なロマンツアーを提供するようにデザインされていく。それには普通に作庭した景色では十分ではなく建築備えてなければならなかった。 この流れを受け、18世紀イギリスにおいて、庭園中に自然風景美しさ入れようとする動き現れた。さらにこうした思想ジャーナリストなどの文筆家主導し理念形成寄与した。この時代最初に整形式庭園に対して批判述べているのは、アントニー・アシュリー=クーパー (第3代シャフツベリ伯爵)である。彼は、1709年記したモラリストたち』において、あるがままの自然を賛美し、これを整形式庭園美学正反対のものとして対比し人工美の庭園よりも大自然優美さ賞賛した。これに影響受けた随筆家詩人ジョセフ・アディソンは、専門誌スペクテイター』で庭園に関する論説執筆1712年414号と477号などで、自由と思想性と自然賛美を結びつけ、フランス式庭園などのヴィスタ見通し景)の拘束性攻撃した。アディソンは、南欧庭園擬似自然であるとし、それらは「著作神話題材としたフィクションの自然である」と述べ庭園美と自然風景美とを一体として捉えるという試み提唱しその後自身所有する土地に自然を模した庭園実際に作庭した。また、同時期、詩人アレキサンダー・ポープも、専門誌ガーディアン」で、1713年によせた随筆トピアリーあり方について非難し、さらにその非難整形式庭園にまで及び、自然美賛美した。しかし、ホープ自身領地作庭した庭園は、風景式庭園ではなかった。

※この「自然美の賛美と風景式庭園の発展」の解説は、「イギリス式庭園」の解説の一部です。
「自然美の賛美と風景式庭園の発展」を含む「イギリス式庭園」の記事については、「イギリス式庭園」の概要を参照ください。

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