脚付子持壺形須恵器
主名称: | 脚付子持壺形須恵器 |
指定番号: | 410 |
枝番: | 02 |
指定年月日: | 1985.06.06(昭和60.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | 鳥取県倉吉市三江上野遺跡出土 |
員数: | 20箇 |
時代区分: | 古墳 |
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検索年代: | |
解説文: | 子持壺形須恵器 胴部はやや肩の張った縦長の楕円形を呈し、底部を丸底に造る大形品である。肩部の四方には、口縁部の外反した子壺が外向きに貼付され、それぞれの底部は穿孔されている。各子壺の間やや下方には、縦長の透し孔が穿たれる。いずれも素地が灰白色で砂粒を含み、表面は暗灰色で一部暗褐白色を呈し、焼成は比較的良好である。 脚付子持壺形須恵器 子持壺とやや直線状に開く脚部からなり、接合部は箍状に断面三角形の突帯を貼付しめぐらす。壺は胴部をほぼ球形に造り、底部をつくらないで脚部へ筒状に抜ける。肩部の四方には、子持壺形須恵器と同様、外反した口縁部をもつ底部穿孔の子壺を外向きに取りつける。各子壺の間、やや下方には円形の透し孔を穿ち、さらに子壺の下にも円形透し孔をもつものもある。裾広がりの脚部には、やや上部に、長方形や柳華形、台形などの透し孔がある。いずれも素地が灰白色で砂粒を含み、表面は灰白色、灰褐色のものが多く、一部は淡黄色を呈したものもあり、焼成は均一でない。 出土遺構は不整方形をした竪穴状土壙(東西四・二メートル、南北三・九メートル)で、ほぼその中央に整然と配列され、しかもすべて立った原位置の状態を保って検出されている。 底部を穿孔した子壺や、筒抜けの状態で脚部に接続する壺などの実態は、実用的な什器とは認められない形状を呈している。同種の出土例は数例が知られるが、古墳の前庭部や墳丘裾部から検出され、祭器、儀器の様相を伝え、山陰地方に限り出土し、地域性の強い特色をもっている。六世紀の所産と考えられ、特異な一括品で、独自性の強い山陰地方の古墳時代文化の様相を究明するうえに欠かせないもので、その学術的価値は高い。 |
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