背水の逆転劇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 08:16 UTC 版)
詳細は「背水の逆転劇」を参照 2004年に開催されたEvolutionの『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』部門において、梅原の操るケンが米国のジャスティン・ウォン(英語版)が操る春麗との対戦時、体力がほぼゼロに近い状態から逆転勝利したプレイの様子ならびにその動画。動画にはゲーム画面と会場の異常とも言える盛り上がりが同時に収録されている。 ハイライトは、第1試合第3ラウンド。ジャスティンの春麗がギャラリーの「レッツゴージャスティーン!」の煽りを受け、梅原のケンに必殺技をガードさせて体力を少しずつ減らす、いわゆる「削り」で止めを刺すべく放った「鳳翼扇」(連続でキックを繰り出すスーパーアーツ)を、梅原のケンが次々と14段の蹴りを連続ブロッキングで捌き(※ケンのブロッキングは後退するので8-8-1の鳳翼扇が7-7-1になる為、16段ではなくて実際には14段)、最後のキックをジャンプから空中ブロッキングしたのち、すかさず反撃の飛び蹴り、足払い、「中昇龍拳」、そしてスーパーアーツ「疾風迅雷脚」を叩き込んで逆転KOに成功するシーンである。なお勝利時にジャスティンのスコアを500ポイント抜いており、こちらも逆転している。 流れとしては鳳翼扇(全17段)16段(実際は14段※)ブロッキング→最後の蹴り(1段)をジャンプ空中ブロッキング→飛び蹴り→足払い→中昇竜拳→疾風迅雷脚となる。 このときケンの体力はほぼゼロで、春麗の「鳳翼扇」をガードすれば即座に敗北する状況であり、回避するためにはブロッキングにより全てを捌く必要があった。しかしブロッキングという特殊行動は非常にタイミングがシビアで難易度が高く、とりわけ連続してキックが繰り出される「鳳翼扇」をすべてブロッキングする行為はこのゲーム中屈指の難易度を誇る。「鳳翼扇」の発動エフェクトを見てからのブロッキング猶予時間は1フレーム(=60分の1秒)である。しかし、梅原は、世界大会の敗者側決勝(実質的な準決勝)で多数のギャラリーの注目が集まる中という大きなプレッシャーがかかる状況で、一度の失敗も許されないこの難局を打開した。 後日、DVD『Xmania7』に収録されているインタビューでは「背水の逆転劇」に対する質問に対し、ジャスティンの止めの「鳳翼扇」を「ミスみたいなもんだから」とコメント。また、NHK衛星第2テレビジョンのテレビ番組『MAG・ネット』ではこの時の状況に関して「音が聞こえなかった」、「音があったらやられていた」、「よく成功したな」との感想を述べている。 この出来事は、その後もたびたびメディアで採りあげられ、テレビ朝日『マツコ&有吉の怒り新党』2015年9月30日放送分「新・3大アーケードゲームのスゴい職人技」でも「5秒間の奇跡」と称される。海外では「Evo Moment #37」と呼ばれており、関連書籍も発売されているほか、前述の動画の再生回数がギネス世界記録に認定されている。2014年11月22 - 23日には、アメリカでこの出来事の10周年を記念したイベント「MOMENT 37 RELOADED」が開催され、ジャスティンとのエキシビジョンで「背水の逆転劇」を再現して見せた。
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