翻案・オマージュ
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ベルギーの画家ジャン・デルヴィルに「赤死病の仮面」(1890年頃制作)という作品がある。 1919年、フランスの作曲家アンドレ・カプレはこの作品に基づくハープと弦楽四重奏のための「幻想的な物語 "Conte Fantatastique" 」を作曲している。 1964年にロジャー・コーマン監督、ヴィンセント・プライス主演の映画『赤死病の仮面』が製作された。この映画は「赤死病の仮面」と、ポーの他の短編作品「飛び蛙」を組み合わせたものである。1989年にはコーマン製作でリメイクされており、エイドリアン・ポールがプロスペローを演じている。 1965年、フレッド・セイバーヘーゲンは本作を下敷きにバーサーカーシリーズの短編、『赤方偏移の仮面』(原題:Masque of the Red Shift)を書いた。 1968年のオムニバス映画『魂と死』では、ポーの他の作品「アモンティリヤドの酒樽」の要素を加えたうえでオーソン・ウェルズによって翻案され、ウェルズ自身がプロスペロー役で出演する予定であったが、この作品は実現しなかった。 メタルバンドストームウィッチの1985年のアルバム『テイルズ・オブ・テラー』にも同じくこの作品をもとにした歌「赤死病の仮面」がある。 ヘヴィ・メタルバンドクリムゾン・グローリーの1988年のアルバム『トランセンデンス』には、この作品をもとにした歌「赤死病の仮面」が収録されている。 メタルコアバンドスライスのアルバム『ザ・イリュージョン・オブ・セイフティ』にもこの作品に基づく作品がある。 チャック・パラニュークの小説「Haunted」は、元々純粋な短編集として執筆されていたものを、出版社から軸となる物語を要求され[要出典]、この作品に基づいた設定を付加したものである。 黒澤明は、この作品をベースに、1977年ソ連で撮影するための映画シナリオ『黒き死の仮面』を井手雅人とともに執筆している。舞台は中世ロシアで、黒死病(ペスト)に変えられている。しかし撮影はされなかった。映画シナリオ『黒き死の仮面』は岩波書店から出版されている『全集 黒澤明』の第七巻に収録されており、読むことが出来る。 2001年、芦辺拓は本作をモチーフとした短編ミステリ『赤死病の館の殺人』を書いた。 江戸川乱歩は「黄金仮面」の後半部分にこの作品をもとにしたエピソードを取り入れている。 映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のデュランティ邸でのパーティーシーンで、主人公が別の記者からこの作品を「禁書になる前に読め」と言われる。
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