結界の地・共同墓地の形成とは? わかりやすく解説

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結界の地・共同墓地の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:32 UTC 版)

「やぐら」の記事における「結界の地・共同墓地の形成」の解説

奈良時代横穴式の納骨墓以降平安時代の墓は、天皇家最上級貴族葬送古文書現れるだけで考古学世界からはほとんど姿を消す。まれに発見されても墓が群をなすという形跡希薄である。『今昔物語集』などから判るのは、風葬でない埋葬でも家のまわりということではなしに離れた適当な野原などにバラバラ埋葬しているということである。墓参も無いので埋葬地長く記憶止まるということもない。それに変化兆し見えるのは12世紀後半である。納骨信仰にも連動するが、高僧定め聖地化するような儀礼行った結界の地に貴族埋葬集中しだすということが始まる。 発端986年寛和2年)に比叡山高僧である源信僧都始めた僧の念仏結社二十五三昧会に始まるとされる。この当時葬送家族だけで行うことで他人関わることは禁忌とされ、それは僧の世界でも変わらなかった。しかしこの結社内だけは世俗禁忌考慮せずに結衆が死ねば結社協力して葬送を行うことを宣言する。この二十五三昧は主に天台宗系の寺院広がる。そしてその二十五三昧墓所結界の地であり聖地である。12世紀初頭にはその二十五三昧会貴族一部入会しだす。この二十五三昧12世紀後半共同墓地出現契機とも考えられている。この二十五三昧転じた五三昧」が墓地現す例も12世紀中期遅くとも13世紀前半には見られるうになる。ただし、共同墓地広まり始めるのは近畿でも13世紀後半本当に広まるのは14世紀入ってからである。 その共同墓地考古学上の代表は静岡県磐田市一の谷墳墓群遺跡である。それら共同墓地どのような場所かというと陽当たり良くて眺め良い場所が多い。このような所を勝地」と呼び経塚築いたりする。この立地条件は「分布」に示したようにやぐらにも共通する共同墓地集団墓地という点では百八やぐら群(画像2)、平子やぐら群(画像33)、まんだら堂やぐら群画像34)、朝比奈切通のやぐら群(画像35)などはまさにそうした姿を示している。

※この「結界の地・共同墓地の形成」の解説は、「やぐら」の解説の一部です。
「結界の地・共同墓地の形成」を含む「やぐら」の記事については、「やぐら」の概要を参照ください。

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