粗製濫造の影とは? わかりやすく解説

粗製濫造の影

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 13:56 UTC 版)

アタリショック」の記事における「粗製濫造の影」の解説

しかし1982年頃より、家庭用ゲーム市場急激な拡大釣られてゲーム作ったともない業種メーカーVCSサードパーティとして参入した。それらのメーカー雇った開発者は、アタリアクティビジョンなどの開発者とは違ってまともにゲーム作る能力がないことから、非常に質の低いソフトまでもが市場溢れ返った極端な例として、VCS参入したクエーカーオーツ朝食シリアルメーカー)やピュリナペットフードメーカー)などが知られる。それらのメーカー低品質ゲームソフト大きな宣伝打ち家庭用ゲーム市場全体信用損なわせた。 この当時アタリ社発売されているゲームの内容一切把握していなかった。また、ユーザーサイドに立ったゲームレビュー雑誌台頭しておらず、基本的にユーザー玩具店店頭で、ゲームソフトパッケージから、中身の質を推察するしかなかった。 こうして、ユーザーは「買って自宅VCS挿し込むまで、本当に面白かどうか判らない」ような状況にまでなり、ユーザー購買意欲減退招いた。 この一方でゲーム製造・販売していた弱小製作会社勃興衰退繰り返し、その激し新陳代謝の中で「開発企業倒産」・「在庫捨て値処分」・「市場にそれらが流れてゲームソフト定価ライン崩壊させる」といった現象多発させる事となった。つまり、倒産流れのソフトが安価に販売されている隣にあって新作ソフトの販売価格いかにも高価に映りユーザー買い控え招いたのである。 それに加えてアタリ社発売したビッグタイトルにも大きな失敗作があった。たとえばアーケード大人気タイトル『パックマン』VCS移植版良い出来ではなく映画E.T.』を題材としたゲームは非常に評判悪かった1982年発売されたこれらのビッグタイトルはそれなりの売り上げがあったものの、極端な生産過剰であったため、アタリ社にとって大きな損失になっただけでなく、ユーザー信用を失う結果にもなった。 生産過剰背景には、1981年10月当時売上増大生産追いつかないことを問題視していたアタリが、各販売代理店対し翌年分の一括発注求めたことがある代理店在庫切れ避けるために大量水増し発注行いアタリはそれを鵜呑みにして需要予測誤ったまま生産行った。そしていざ1982年になると発注多くキャンセルされてしまい、大量売れ残り抱え羽目になったのである。 なお、後にアタリショック最大戦犯にしてクソゲー象徴ともされることになる『E.T.』は、アタリショック後の1983年9月に14台のトラック満載されてニューメキシコ州アラモゴルド市の砂漠埋められた(ビデオゲームの墓場)、と当時ニューヨーク・タイムズ報道されている。この「ビデオゲームの墓場」はアタリショッククソゲー象徴として半ば都市伝説化して後世語られていたが、2014年4月当該地域で「発掘調査が行われ、実際にE.T.』が発掘されたことにより実在したことが確認された(詳細について当該項目記載参照)。

※この「粗製濫造の影」の解説は、「アタリショック」の解説の一部です。
「粗製濫造の影」を含む「アタリショック」の記事については、「アタリショック」の概要を参照ください。

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