米国におけるバイオ燃料への補助金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 05:41 UTC 版)
「2007年-2008年の世界食料価格危機」の記事における「米国におけるバイオ燃料への補助金」の解説
国連食糧農業機関とECMBは世界の陸地の農地利用は1980年代以降減少し、米国、EU以外の補助金も2004年以降減少し、米国が農作物をバイオ燃料へ転用し始めてから供給が脆弱になったと報告した。 米国農務省によると世界の小麦の輸入量と在庫量は減少し、米国国内における消費も停滞、世界の小麦生産もまた2006年から2008年にかけて減少した。 米国では政府のエタノール製造者に対する補助金の給付が農家のバイオ燃料生産を促した。それまで食料として利用されていたトウモロコシはエタノールを生産するために利用されるようになり、米国はトウモロコシエタノールの最大生産国となった。その結果、2006年から2007年にかけて米国のトウモロコシの23%はエタノールへ転用され(2005年から2006年と比べて6%の上昇)、農務省は2007年から2008年にかけて米国で8100万トンのトウモロコシがエタノール製造に利用されると予想しており、その割合は37%に上昇するとみられている。 これは食料の転用だけでなく、農地の転用をも意味している。 それにもかかわらず、エタノール製造を支持する人々はトウモロコシのエタノール製造への利用は世界で起きている食料を求めた暴動とはなんら関係ないと主張しており、それらの原因はコメと原油価格の上昇であり、バイオ燃料は何ら関係ないとしている。 しかし、世界銀行の報告によれば、バイオ燃料は食料価格を75%引き上げたとされている。5年間の月ごとの分析は世界の穀物消費量の上昇と旱魃も価格上昇の原因であるがこれはわずかな影響しか与えていないと報告し、EUと米国が利用しているバイオ燃料が食料の供給と価格上昇の最大の原因であると主張している。まだ4月が終わったにだけに過ぎないが、エコノミストはブッシュ大統領が不満をかわすために報告書がまだ提出されていないのだと信じている。また、サトウキビから作られたバイオ燃料は穀物と植物油から作られたバイオ燃料ほど劇的な影響を与えていないという研究結果も報告された。
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