箱根ホテル小涌園
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吉村順三設計で1959年竣工・開業のホテル。 小涌園では現存する最も古い施設で複数回の増築経て閉館時の客室数は224。開業当初は外国人専用ホテルであった経緯から、外国人利用率が高く、JTBの訪日外国人向けツアー「サンライズツアー」の定宿となっていた。また前述の通り、日中国交正常化以前から中華人民共和国要人の往来があり、伝統的に中国人VIP客の受け入れがあった。このため、玄関口での従業員による五星紅旗での歓迎も時折見られた。全室国内のBS放送は視聴できないが、中国語放送の東方衛視は視聴可能となっている他、藤田観光本体の方針によりCCTV(中国中央電視台)も聴取可能とする方針を打ち出すなど、グループ全体での中国人への販売強化の方針とも重なり、中国人の箱根における重要な観光拠点となっていた。旅館部終了(1998年営業終了)後は大衆化・高稼働低価格化路線となり、後年は欧米・中国のみならず台湾人と韓国人のツアー客の利用も急増していた。 全室に温泉引湯があり、露天風呂のある大浴場せせらぎの湯は日帰り利用が可能となっていた。ユネッサンとは別に屋外プールもあり夏季のみ営業していた。開業時より維持された庭園では自生の蛍が鑑賞可能であった。国道1号側の別棟(開業時はドライブインであった)には、周辺では唯一のコンビニエンスストアであるファミリーマート箱根小涌園店を開設していた。 藤田観光グループで販売した近隣のマンションの権利に同ホテルの通行、食事や入浴の優遇特典が付属することや客室のみの増築も行われているため、レストランや駐車場、大浴場のキャパシティが相対的に小さく、素泊予約でホテル内で食事ができない、二食付予約でチェックイン時における夕食座席の確保ができないという事象、大浴場の洗い場の行列待ちなどが見られた。玄関先に小段差がある設計のため、電動車椅子でのホテル入場も不可能であった。 前述の通り、老朽化等の理由により2018年1月10日をもって閉館となった。別棟のファミリーマートも同月30日に閉店している。
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