第4部:大統領、議会、政府、裁判所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:44 UTC 版)
「ベラルーシ共和国憲法」の記事における「第4部:大統領、議会、政府、裁判所」の解説
第4部は、大統領(第3章)、議会(第4章)、政府(第5章)、裁判所(第6章)に分かれており、ベラルーシ共和国の統治機構を定める。 ベラルーシ共和国大統領は、国家元首であり、憲法並びに権利及び自由の守護者であるとされる(第79条)。大統領は国民の直接選挙によって選ばれ、任期は5年間である(第81条)。大統領の職務は第84条各号に列挙されており、下院の解散権、行政部の組織に関する権限、下院の同意の下首相を任命する権限、その他の閣僚の任免権、裁判官の任命権、政府の会議で議長を務める権限など、広汎な権限が与えられている。ベラルーシ共和国軍の最高指揮官である。また、大統領は、憲法に従い、大統領令、執行命令を発することができる。憲法に定められた場合には法律と同等の効力を有する命令を発することができる(第85条)。その他、大統領の辞任(第87条)、途中解任、罷免(第88条)について定めがある。 議会(国民議会)はベラルーシ共和国の立法機関であり、下院と上院により構成される(第90条)。下院は110名の議員により構成され、下院議員は国民の直接選挙により選ばれる。上院は地域代表機関であり、各オーブラスチ及びミンスク市から選出される8名の議員から成る(第91条)。法案提出権は大統領、下院議員、上院、政府にあるほか、有権者5万人以上の請求によって法案を提出することができる(第99条)。下院には原則として先議権があり、両院が可決した法律は大統領が署名する。大統領が法律に同意しない場合は下院に送付され、両院で3分の2以上の賛成で再可決されたときは法律として成立する(第100条)。 閣僚会議(ロシア語版)(政府)は国の行政組織の中心であり、行政権を行使する。首相及びその他の各省大臣等で構成される。首相は下院の同意の下、大統領によって任命される(第106条)。政府は行政各部を指揮し、国内・外交政策の基本方針を作成し、予算案を作成し、法令の執行を保障する(第107条)。 司法権は裁判所に与えられ、特別裁判所の設置は禁止される(第109条)。司法権の独立が保障され(第110条)、裁判所には法令の違憲審査権がある(第112条)。裁判の公開(第114条)、当事者対抗的な対審構造(第115条)が規定されている。違憲審査権を行使するのはベラルーシ共和国憲法裁判所であり、12人の裁判官(6人は大統領が任命、他の6人は上院が選出。任期11年)から成り、大統領、下院、上院、最高裁判所、最高経済裁判所又は閣僚会議の提案に基づき法令の合憲性を審査する(第116条)。
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