第2部 文明の階段を登る
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 19:12 UTC 版)
「山椒魚戦争」の記事における「第2部 文明の階段を登る」の解説
ボンディ宅の門番だったポヴォンドラ氏は、自身がヴァン・トフを入室させたことをきっかけに山椒魚が広まったことを誇りに思い、山椒魚に関する新聞記事の切り抜きを始めた。この第2部は、そのことを紹介した後、彼の集めた記事を時系列によって並べ直し、山椒魚の発展の軌跡を紹介するという形をとる。そのため、あちこちに形の異なる記事の部分が挿入されており、中には、実在する著名人のコメントが差しはさまれたり、架空の書籍によるありそうなコメントが引用されていたりなど、パロディ的視点のコミカルな要素も多いストーリー展開となっている。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}博覧強記のチャペック[要出典]といえども、アジアの事情まではよくわからなかったようで、中には日本語の記事が1本あり、版によって違いがあるが手書き文で書かれたそれは、日本語らしき体裁ではあるが、意味を読み取ることはできない。さらに何語ともつかない記号の羅列も一つあり、これらは文学におけるインチキ外国語の事例である。 続く物語では、山椒魚利用が世界に広がったこと、それに併せて学問も普及し、彼らの生活も向上したことが示され、そしてそれによって人類にも多くの富がもたらされた。しかし、次第に彼らは独自性を持ち始めたことも明らかにされる。 この時点での山椒魚は、人類にとって、かつての黒人奴隷以上に文句を言わない低コストの労働力が簡単に手に入るという側面が大きく、山椒魚の飼育と販売は人類になくてはならない産業に発展していくが、一方で、会話までできるようになった山椒魚に対し、様々な立場の人間が山椒魚の人権を唱えたり、キリスト教の洗礼を受けさせられないか考えたり、政治闘争に巻き込めないか山椒魚に打診する者が現れるなど、人類がけんけんがくがくと議論を重ねている間に、第3部へと突入していく。 この部の最終章では、再びポヴォンドラ氏の独り言が挿入されるが、そこでは山椒魚が戦争と関わりを持ち始めたことが示され、彼は自分がそのきっかけを作ったことに不安を感じている。
※この「第2部 文明の階段を登る」の解説は、「山椒魚戦争」の解説の一部です。
「第2部 文明の階段を登る」を含む「山椒魚戦争」の記事については、「山椒魚戦争」の概要を参照ください。
- 第2部 文明の階段を登るのページへのリンク