第二世代“カッパーマイン” (Coppermine)
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「Pentium III」の記事における「第二世代“カッパーマイン” (Coppermine)」の解説
0.18µmプロセスで製造された。製造技術の発達により、256KBの2次キャッシュメモリをCPUダイ上に実装する。512KBの2次キャッシュメモリを搭載するKatmaiと比較して容量は半減したが、CPUダイ上に実装されてCPUコアと等速で動作するようになり、さらにキャッシュアクセスの際のレイテンシが大幅に減少可能となったためより高速なメモリアクセスを実現、性能が向上している。L2キャッシュの性能向上に伴い、L2キャッシュフィルバッファ、ライトバックバッファ、バスキューエントリーを増加している。また、L1データキャッシュとL2キャッシュ間の帯域を256Bitに拡張している。 当初は、Katmai同様S.E.C.C.2パッケージを採用していたが、2次キャッシュを外に置く必要がなくなったため、Celeronで採用されたSocket 370に対応した、FC-PGAパッケージでも生産されるようになった。ただしこれは従来のPPGA版Celeronで採用されたSocket 370とは一部のピンの仕様が異なっており、必ずしも既存のシステムを流用できるものではなかった。その場合はサードパーティ製の変換下駄(とBIOSの対応)が必要になり、同様の問題は後述のようにTualatinの登場時にも生じている。 Intelのx86プロセッサとしては、初めて動作クロック1GHzを達成したアーキテクチャである。 この世代でインテルはAMDの「Athlon」に対抗し、動作クロックの向上を巡って熾烈な競争を演じた。当時出たばかりのCoppermineは当初品薄が続いたが、少数出荷で発表の前倒しを繰り返し、パソコン用マイクロプロセッサの動作クロックは遂に1GHzの大台に達することとなった。 一時は1.13GHzで動作する製品も極少数が出荷されたが、動作不安定が指摘され製品回収が行われた。1.13GHzを超える製品は第三世代を待つことになる。 モデルナンバー動作クロックL2容量FSB逓倍率コア電圧TDPソケットPentium III 500E 500 MHz 256 KB 100 MHz 5× 1.6 V 13.2 W Socket 370Slot 1 Pentium III 533EB 533 MHz 133 MHz 4× 1.65 V 14 W Pentium III 550E 550 MHz 100 MHz 5.5× 1.6-1.7 V 14.5 W Pentium III 600E 600 MHz 6× 1.7-1.75 V 15.8 W Pentium III 600EB 133 MHz 4.5× 1.65-1.7 V Pentium III 650 650 MHz 100 MHz 6.5× 17 W Pentium III 667 666 MHz 133 MHz 5× 17.5 W Pentium III 700 700 MHz 100 MHz 7× 18.3 W Pentium III 733 733 MHz 133 MHz 5.5× 1.65-1.75 V 19.1 W Pentium III 750 750 MHz 100 MHz 7.5× 19.5 W Pentium III 800 800 MHz 8× 20.8 W Pentium III 800EB 133 MHz 6× Pentium III 850 850 MHz 100 MHz 8.5× 25.7 W Pentium III 866 866 MHz 133 MHz 6.5× 22.5/22.9 W Pentium III 900 900 MHz 100 MHz 9× 1.7-1.75 V 28.9 W Socket 370 Pentium III 933 933 MHz 133 MHz 7× 1.65-1.75 V 24.5/27.3 W Socket 370Slot 1 Pentium III 1000 1 GHz 100 MHz 10× 1.75 V 29 W Pentium III 1000EB 133 MHz 7.5× 1.7-1.76 V 26.1 W Pentium III 1100 1.1 GHz 100 MHz 11× 1.75 V 33 W Socket 370 Pentium III 1133 1.133 GHz 133 MHz 8.5× 29.1 W
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