積み込み・積み降ろし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:15 UTC 版)
「ばら積み貨物船」の記事における「積み込み・積み降ろし」の解説
ばら積み貨物船への積み込み・積み降ろしは時間が掛かり危険な作業である。手順は、一等航海士の助けを受けながら、船長によって計画される。国際的な規制により、作業を開始する前に船長と港湾側の責任者が詳細な計画に合意している必要がある。甲板員と港湾作業員が作業を監視する。まれに積み込みのミスが起きて、岸壁で船が転覆したり、半分に折れてしまったりする事故を引き起こす。 用いられる積み込み方法は、貨物の種類と船舶および港湾にある設備に依存している。あまり先進的ではない港では、貨物はショベルや袋でハッチを通じて注ぎ込まれる。このシステムは、より速く労働集約的ではない方法に置き換えられつつある。1時間に1,000 トンの積み込みを行える二重連接クレーンが広く用いられている方法で、1時間に2,000 トンに達する岸壁設置のガントリークレーンの使用も増えている。クレーンによる積み降ろしの率は、そのバケットの容量(6 トンから40 トン)と、クレーンが積み荷を積んで岸壁に降ろしてまた戻ってくるために掛かる時間によって制約されている。現代のガントリークレーンでは、この1周期の時間は50秒ほどである。 1時間に100 トンから700 トンほどの標準積み込み速度を持つベルトコンベアはとても効率的な積み込み方法で、最新鋭の港では1時間あたり16,000 トンの速度を持つものもある。しかしながら、ベルトコンベアの作動開始・作動終了は複雑で時間を要する。セルフアンローダー付きの船は1時間あたり1,000 トン程度の率である。 積み荷が降ろされると、船員は船倉の清掃作業に取り掛かる。これは、次の積み荷の種類が異なる場合特に重要である。船倉の巨大さや、積み荷の物理的な性質などにより、清掃作業は難しいものである。船倉が綺麗になると、積み込み作業が開始される。 積み込み作業中に積み荷の水平を保つことは、船の安定性を保つために重要である。船倉が満たされるにつれて、油圧ショベルやブルドーザーのような機械が積み荷を整えるためにしばしば用いられる。積み荷は一方に偏りがちであるため、船倉が部分的に満たされている場合、積み荷を水平にすることは特に重要である。積み荷を縦方向に分割したり、積み荷の上に木材を固定したりする場合には、特に注意が払われる。船倉が一杯になると、トミング (tomming) と呼ばれる作業が行われ、ハッチカバーの下に6 フィート (2 メートル)ほどの穴を掘って、そこに袋入りの積み荷やおもりを入れる。 典型的なばら積み貨物船の積み降ろし作業 1. ブルドーザーが船倉に搭載される 2. ブルドーザーが積み荷を船倉中央に寄せる ガントリークレーンが積み荷を引き上げる 4. ガントリークレーンにより船から積み荷が外に出される 5. ガントリークレーンが岸壁にある容器に積み荷を移す 写真はportpictures.nlのDanny Cornelissen提供
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