専用車運車の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/13 08:57 UTC 版)
こうして1960年代頃から北アメリカでは専用に製造された車運車が鉄道による新車の自動車輸送に用いられるようになった。かつて用いられていた有蓋車に比べて、車運車は同じスペースでより多くの自動車を運び、積み込み・積み降ろしがより簡単であった。ニューヨーク・セントラル鉄道のアーサー・クルックシャンク (Arthur Crookshank) が1950年代後半に用いられた初期の車両を製造したとされている。また、1957年後半にカナディアン・ナショナル鉄道が導入した新しい発想の車運車は、2段積みで妻に扉を持っており、全長は75 フィート(23 メートル)で8台の自動車を輸送できた。この車両は大きな成功を収め、こんにちの覆い付き車運車の開発へとつながった。大きな車運車と専用のターミナルはノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道やその他の事業者によって開発された。 車運車は搭載能力を拡大するために80 フィート(24 メートル)前後まですぐに延長された。これにより当時の平均的な客車と同じ程度の長さとなった。これより長ければ、カーブなどにおける車両限界の問題から一般的な運行はできない。しかし鉄道はさらに進歩し、アメリカの鉄道において3段積みの車運車が登場するまでそれほど長くは掛からなかった。小型の自動車はたくさん積める3段積みの車運車に搭載する一方で、2段積みの車運車はライトバンやピックアップトラックなどを輸送するために用いられている。 残された問題は、車運車には飛んでくる破片類や天候からの保護がないことであった。1950年代のカナディアン・ナショナル鉄道が開発したような方法で、1970年代には他の北アメリカの鉄道会社も車運車をより洗練させた。車運車の側面に覆いが張られて自動車を衝撃から保護した。屋根は1980年代に入ってからほとんどの車運車に取り付けられ、1980年代後半になると妻面のドアが取り付けられた。こうした覆いなどは自動車の破損を防ぐだけではなく、人が輸送中の自動車に入り込んで列車で移動するといったことを防ぐためにも役に立っている。
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