福音主義神学部での学習課程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 08:36 UTC 版)
「福音主義神学」の記事における「福音主義神学部での学習課程」の解説
福音主義神学部の基礎課程において、最初に2学期にヘブライ語、古典ギリシア語、ラテン語の習得が求められる。ギリシア語とヘブライ語は神学を主専攻にする場合は必修になるが、神学を副専攻にする場合は必修科目にはならない。古典語履修と並ぶ基礎知識(4学期受講)として5つの科目、旧約聖書学、新約聖書学、教会史、組織神学、実践神学が開講されている。第1次神学試験受験まで12学期を受講する。学生は初級ゼミナールと演習にも出席し、講義内容をより深め、神学研究の方法論を習得する。加えて人文科学全般の関連講義にも出席し、神学研究を概観する能力を得るようにする。聖書に関する適切な知識は聖書学に取り組むことで習得する。この修業期間中において、神学の関連領域である哲学的課題に取り組む。自身の信仰と神学に関する問題設定は短期間では得られない。神学と自身の生き方は密接に結びついているからである。神学への意志とその方向性設定が大きな役割を果たすことになる。基礎課程は中間試験を受けることによって終了する。 福音主義神学部の本課程において、基礎課程において習得した知識を深め、独自の研究テーマを見つけることが重要である。このような研究能力は基礎課程での修業目標を達成し、自身の神学的考察力、判断力を形成することで得られる。 福音主義神学部中間試験終了後に、教会共同体Gemeindeでの実習が神学教育課程に組み込まれる。4週間から6週間の教会共同体実習によって、神学部学生は牧師としての日々の職務を知る。本課程において、講義と中級ゼミナールで学生は研究に専念し、神学諸分野における問題設定を深化させる。本課程において、自身の神学的立場を決め、神学全般に及ぶ専門的知識を習得することが学生に課せられる。研究発表、ゼミナールでの議論、学生集団における研究活動によって修業を補う。宗教学試験がこの修業期間中に課せられる。 本課程での通常修業期間は4学期と2学期の古典語(ギリシア語とヘブライ語)学期になる。本課程の修了時に試験準備期間が設定される。福音主義神学の基礎・本課程は第1次神学試験に合格するか、ディプローム (大学課程修了試験)に合格することで修了する。その段階でマギステル(Magister、日本の修士号に相当)を得ることも可能である。宗教科教職課程を専攻する者は第1次国家試験に合格することで福音主義神学部の課程を終える。牧師任用希望者は第1次神学試験を受け牧師補任用資格を得ることで本課程が修了する。牧師補に任用された者は教会共同体で牧師の職務を学びながら、第2次神学試験を受け、牧師の任用資格を得る。牧師補の一部は教会共同体で日常業務に就きながら、約4~10学期間の学修課程に属して博士論文の執筆し、神学博士号(Dr. theol.)取得を目指す。神学研究者を目指す者は指導教授の下で大学教授資格ハビリタツィオン試験(論文審査、口頭面接)を受け、合格した者が神学部教員になる資格を得る。
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