磁壁とは? わかりやすく解説

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じ‐へき【磁壁】

読み方:じへき

強磁性体内部磁区の間の境界。この境界磁化方向が変わる。


磁壁

【英】:Magnetic Domain Wall

磁性体磁区構造において、磁区磁区の間にある原子の磁気モーメント少しずつ連続的に反転する空間のことをいう。隣り合う磁区磁化方向90°、 180°場合それぞれ90°磁壁、180°磁壁と呼ぶ。また境界面に垂直な方向を軸として、磁気モーメント回転していくような磁壁をブロッホ磁壁薄膜においてみられる境界面の面内方向(薄膜厚み方向)を軸として磁気モーメント回転していくような磁壁をネール磁壁と呼ぶ。

磁壁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 00:44 UTC 版)

磁壁(じへき、: Magnetic Domain Wall)とは、異なる方向に磁化した磁区の間にできる境界層。

概要

強磁性体において隣接する磁区間では磁気モーメントを平行に配列しようという交換相互作用が働くので磁気モーメントは徐々に傾きながら変化する[1]。傾きが90°、180°の場合、それぞれ90°磁壁、180°磁壁と呼ぶ[2]。以前は磁壁は磁場によってのみ変化させることが可能であると考えられてきたが、2004年に京都大学のグループが、電流によっても移動させることが可能であること実証した[3][4]。これにより不揮発性メモリなどへの応用が期待される[5]

ブロッホ磁壁

厚い膜厚において一般的な磁壁で境界面に垂直な方向を軸として、磁気モーメントが磁壁面に平行な面内で回転していくような磁壁[1]フェリックス・ブロッホによって発見された。

ネール磁壁

膜厚が薄いときには磁壁面に垂直な面内で回転するほうが安定となる[1]ルイ・ネールによって発見された。

関連項目

脚注・出典

  1. ^ a b c 磁壁” (PDF). 2019年1月2日閲覧。
  2. ^ 磁壁”. 2019年1月2日閲覧。
  3. ^ Yamaguchi, Akinobu, et al. "Real-space observation of current-driven domain wall motion in submicron magnetic wires." Physical review letters 92.7 (2004): 077205.
  4. ^ 磁石を使ったメモリに道:磁壁の電流による移動の要因を解明”. 2019年1月2日閲覧。
  5. ^ 磁壁移動の閾電流値を下げる新しい方法の発見:次世代磁壁メモリの実現に前進”. 2019年1月2日閲覧。

外部リンク




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