研究の主軸とは? わかりやすく解説

研究の主軸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 05:43 UTC 版)

フィリップ・デスコーラ」の記事における「研究の主軸」の解説

デスコーラは自身研究において、自然そのもの社会産物であって、彼が区別した3つの同一化様式共通してきわめて人間中心的な参照性を有していること(彼はトーテミズムアニミズム自然主義定義しなおした)を示すことによって、文化と自然を対立させる二元論克服する試み続けている。自然/文化という対立が意味をなさないようにした後、デスコーラが提案するのは、こうした命題用いて、彼が「諸関係のエコロジー」と呼ぶものを構成することなのである。 ここで問題となっているのは、人間非人間のあいだの諸関係に関心を抱く、二元論とらない人類学であり、またこの人類学は、人間非人間を、存在論的に区別された別々の領域区分するともない。 デスコーラは、トーテミズムアニミズム類推主義(アナロジスム)および自然主義からなる4つの「同一化様態」を区別する自然主義とは、彼によれば、「自然が存在するという単なる信仰思い込みであり、言い換えればいくつかの実在存在することや、その展開は、人間意志効果外側にある原理によっているとすることである。プラトンアリストテレス以来西洋コスモロジー典型的な自然主義は、特定の存在論領域、すなわち、超越論的審級に従うものか、世界仕組み内在している理由なくしては何ものも生じえないとする秩序もしくは必然性の場を産出する自然主義わたしたちコスモロジー主導的原理であり、わたしたち共通感覚科学的原理浸透している限りにおいて、そうした自然主義が、わたしたちにとっては、自分たちの認識論とりわけ同一化の他の様式にたいする見方視線構造化している「自然」のようなものとでもいうべき、前提となってしまっているのである」[要出典]。つまり、わたしたちがもつ自然主義は、他なるものや世界へ向けられるわたしたち見方視線規定しているのである同一化の諸様式とは、自らと他なるものとの境界定義の仕方である。わたしたちの社会自然主義的だとすると、それ以外社会アニミズム的であるか、もしくはトーテミズム的な社会である。まず、アニミズム特徴づけるのは、非人間という社会的属性により諸関係のカテゴリー化可能になるような社会である。つまりここでは、非人間が関係の項となっている。続いてトーテミズム特徴づけるのは、非人間どうしの不連続性により、人間非連続性を思考することが可能になる社会である。こうした社会にあっては非人間とは記号のようなのである。さらに、類推主義とは、それ自体については、人間非人間についての内面および物性非連続性によって特徴づけられる。類推主義存在する社会特徴づけるのは、きわめて強く二元的な体系をもつ社会である。 自然主義をとる諸社会(西洋社会)のみが、「自然」という観念通して、自らと他なるもののあいだのこのような境界産出する自然とは、文化領域属さないもの、人間精神知識技術知コツ)に独特な特徴の外にあるものということになる。西洋的新しく特定の歴史産物であるこのような区別は、いくつかの社会には存在しない。 それに加えて、以下のテーマについても、彼の研究主題として挙げることができる。 アメリカインディアン社会民族学 自然の社会化の諸様式についての人類学 社会科学についての認識論および哲学 認知人類学 象徴エコロジー また、彼は現在、fr:EHESSにおいて実践理性、その不変性不変性多様性をめぐる研究グループ取りまとめをしている。

※この「研究の主軸」の解説は、「フィリップ・デスコーラ」の解説の一部です。
「研究の主軸」を含む「フィリップ・デスコーラ」の記事については、「フィリップ・デスコーラ」の概要を参照ください。

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