研究の信頼性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:08 UTC 版)
「マイクロアグレッション」の記事における「研究の信頼性」の解説
2013年に出されたマイクロアグレッションに関する研究レビューでは、「マイクロアグレッションによる心理的身体的負の影響が文書化され始めているが、これらの研究のほとんどは経験的なものや自己報告に基づいているため、実際に負の影響があるのか、もしそうならばどのようなメカニズムで引き起こされるのかを判断することは困難である」と結論づけている。 2017年に出されたレビューでは、心理学者のリリエンフェルドが、10年近く前にスーが提案したころから認知研究や行動研究、十分な実験があまり行われておらず、特定集団を代表しているといえない少ないサンプルからの逸話的な証言に過度に依存しており、マイクロアグレッション研究はほとんど進歩していないと批判している。彼はマイノリティにむけられた小さな差別そのものは否定していないが、マイクロアグレッションの概念と科学的評価のためのプログラムは現実世界での適用を正当化するには、概念的・方法論的な面であまりにも未発達であると結論づけている。彼はマイクロアグレッションに「アグレッション」という言葉を使うのは混乱を招き誤解を招くとして、この用語の放棄を推奨している。 アメリカの保守派シンクタンク、機会均等センターの研究員であるアルシア・ナガイはマイクロアグレッション研究は似非科学であると批判する文書を発表した。彼女はマイクロアグレッション理論の背後にいる学者達が、現代科学の方法論、規範を拒絶していると述べている。彼女はマイクロアグレッション研究の欠点として、「偏ったインタビュー質問、物語性への依存、回答者数の少なさ、信頼性や再現性の問題、代替説明の無視」などを挙げている。
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