知識の客観性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:32 UTC 版)
プラトンは幾何学を普遍的真理に関わる観念論のひとつの条件とみなした。彼の客観性と意見の対比は、現実と心理と存在の問いを解くことに哲学が熱中する基礎になった。彼は意見を移り変わる感性の領域とみなし、固定した永遠の無形物(英語版)とは逆のものだとした。プラトンはわれわれがどうモノを知っているかと、モノの存在論的状態を区別したが、ジョージ・バークリーなどの主観主義(英語版)は知覚に依存している。プラトンの主張では、主観主義への批判は、知識と意見と主観的知識を区別するのは難しいというものになる。 プラトンの観念論は形而上学的客観主義の一形態であり、イデアは個体から独立して存在するとみなす。一方、バークリーの経験的観念論は、モノは知覚されたときだけ存在するとする。両アプローチは客観性への試みを誇る。プラトンの客観性に対する定義は彼の数学と形而上学に基づいた認識論に見つけられ、そこではモノとイデアの存在論的状態に関する知識は不変であるとされる。 哲学者ルネ・デカルトの個人的演繹の方法とは反対に、自然哲学者のアイザック・ニュートンは比較的客観的な科学的方法を仮説を作る前に証拠を探すために適用した。部分的にカントの理性主義への反応として、論理学者ゴットロープ・フレーゲは客観性を彼の認識論的・形而上学的哲学に適用した。もし現実が意識から独立して存在するなら、現実は論理的に、言語で表せない複数個の形態を含むものとなる。客観性は、真理値を含む命題で形成された真理の定義を要求する。客観的構成物を作る試みは、モノの現実への存在論的コミットメント(英語版)を具体化するものである。 客観的現実を評価と理解する上での知覚の重要性は、量子力学の観察者効果で議論されている。直接または素朴実在論者は知覚を客観的現実を観察するキーとして頼るが、道具主義者は観察は客観的現実を予測するものとして有用だとする。これらの考えを取り囲む概念は科学哲学にとって重要である。心の哲学は客観性が恒常現象(英語版)に依存するかどうかを探求する。
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