矢頭良一の自働算盤とは? わかりやすく解説

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矢頭良一の自働算盤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 00:21 UTC 版)

機械式計算機」の記事における「矢頭良一の自働算盤」の解説

日本明治初期における計算器具等の発明については、特許類の他に内国勧業博覧会出品記録について調査した報告によればいくつかの興味深いものも見つかっているが、詳細伝わっていない。 はっきりと機械式計算機形態持ち、かつ実際に作られたものとしては、矢頭良一(やず りょういち、1878-1908)による「自働算盤」(パテント・ヤズ・アリスモメトール:Patent Yazu Arithmometerとも)が、金属製実用的な最初のものと考えられている。回転する円板利用する点は同じだが、細かい構造などオドネルなどのものとは異なっており、独自に考案したものとみられている。1901年森鷗外訪ね計算機模型見せ協力要請したことが鴎外の「小倉日記」に書き残されたことから、後の再発見つながった。矢頭は計算機販売得た資金元に動力航空機研究したが、エンジン試作の後に早逝した。 自働算盤完成1902年同年特許申請1903年日本国特許6010号を得ている。歯車式だが、他に見られる出入り歯車階段歯車ではなく、歯を左右に移動する独特の方式である。内部計算方式十進だが、入力そろばんあるいは二五進法風に、あるにおける置数が2回の操作でできるよう工夫されている。乗除算の方式は、タイガー計算器などの加減算回数カウントアップする方式とは異なり先に置いた乗数ないし除数カウントダウンする方式である。さらに乗除算では送り計算終了自動に行う機構もあるとされ、改良型特許日本国特許18119号、後述)には乗算場合働き説明されているが、判然としない内山昭による現存機確認の際には修理により動作確認したとあるが、2010年和田による報告では同機改良型特許のものと同型であること、乗除算のための機構があることなどが確認されたが、動作確認できなかったという。 当時価格250円、約200台が作られ, 協力もあり陸軍省内務省農事試験場等に販売された。矢頭は資金得て試作エンジン成功をみたが飛行機の夢はならず5年後に病で没した日本国特許18119号は父親名義になっているその後機械式計算器としてはタイガー計算器代表的存在になり、また小倉日記紛失したことなどもあって、矢頭の自働算盤忘れられていった(たとえば城憲三らによる『計算機械』には言及がない)。小倉日記1950年代発見されたことで、自働算盤再発見され、現存機確認された。現存機は後に北九州市立文学館寄贈され、現在[いつ?]は同館蔵である。2008年7月には機械遺産30番として認定された。 矢頭が特許得た1903年は、くしくもライト兄弟ライトフライヤー号初飛行成功の年であった

※この「矢頭良一の自働算盤」の解説は、「機械式計算機」の解説の一部です。
「矢頭良一の自働算盤」を含む「機械式計算機」の記事については、「機械式計算機」の概要を参照ください。

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