白血病
『アトミック・エイジの守護神』(大江健三郎) ある中年男が、広島の原爆孤児10人を養子にして、共同生活を始める。彼は、孤児たちの何割かが将来白血病で死ぬことを見こして、高額の生命保険を掛ける。何年かの後、孤児たちは4人が死に、6人が生き残っていた。一方、中年男は顔色が悪くなり、食べ物を吐くようになる。孤児たちは「あの人は胃癌らしい」と考え、彼に保険を掛けた。
『モスクワわが愛』(吉田憲二他) 百合子はボリショイ・バレー団への入団を許可され、厳しいレッスンに明け暮れる。日本に残した恋人哲也に代わって、モスクワで知り合った彫刻家バロージャが、彼女の心の中で大きな存在になっていた。百合子は『ジゼル』の主役に抜擢されるが、公演間近に白血病で倒れる。母が広島で被爆しており、百合子は原爆二世だったのだ。百合子は嵐の海へ投身しようとして、バロージャに抱きとめられる。彼女は「生きよう」と思う。しかし、その思いは叶わなかった。
『夢千代日記』(浦山桐郎) 兵庫県・湯村温泉の芸者夢千代は広島で被爆し、白血病を発症して、神戸の病院で「余命半年」と診断される。夢千代は入院せず、湯村で死にたいと願う。旅役者の宗方勝と知り合うが、彼は15年前に父親を殺して指名手配中であり、あとわずかで時効になる身の上だった。宗方は隠岐へ身を隠し、夢千代はその後を追って、2人は結ばれる。宗方は逮捕覚悟で、死の近い夢千代を湯村へ連れ帰る。芸者仲間たちに見守られて夢千代は息を引きとり、宗方は逮捕される。
*ゲンの恋人・光子の白血病→〔原水爆〕1の『はだしのゲン』(中沢啓治)。
『クリスマス・ツリー』(ヤング) 10歳のパスカルは父と一緒に、コルシカ島で夏休みを楽しんだ。ボートに乗っていた時、核弾頭を搭載した飛行機が近くへ墜落する。父は海に潜っていたので無事だったが、ボート上のパスカルは放射能を浴びて白血病になった。医師は「入院すれば余命1年。在宅なら3~6ヵ月」と宣告する。パスカルは残された日々を、家で父とともに、せいいっぱい幸福に過ごし、やがてクリスマス・イブを迎える。その日、父がプレゼントを買って帰宅すると、美しく飾られたクリスマス・ツリーの下で、パスカルは息絶えていた。
★3.原因不明の白血病。
『ある愛の詩』(ヒラー) ハーバード大学法学部の学生オリバーは大富豪の名家の御曹子、ラドクリフ女子大の学生ジェニーは町の菓子屋の娘だった。2人は恋に落ち、身分・境遇の差を乗り越えて結婚する。オリバーの父は結婚に反対し、経済的援助を打ち切る。ジェニーは教師となって家計を支え、オリバーはロースクールを修了して弁護士になる。しかしその直後にジェニーは白血病であることがわかり、25歳で死ぬ。
白血病と同じ種類の言葉
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