二次性白血病
別名:2次性白血病
癌の治療のために放射線治療や化学療法を行ったことによって新たに発症する白血病のこと。
二次性白血病は、最初の癌治療を開始してから5、6年程度経過した時点で発症することが多い。早いケースでは3年、遅いケースでは10年で発症するケースもある。二次性白血病の初期症状としては倦怠感や貧血などが挙げられる。予後は不良であることが多いが、同種骨髄移植によって治癒することもある。
二次性白血病は診断が困難とされているが、東京大学医科学研究所が、ある患者の遺伝子情報をIBMのAI「ワトソン」を用いて分析させたところ、10分程度で二次性白血病と診断することができた。
関連サイト:
東京大学医科学研究所
二次性(治療関連)白血病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
各種の癌や血液腫瘍の治療で抗がん剤や放射線治療を行った数年後に白血病や骨髄異形成症候群を発症する可能性が高くなることが知られている。治療関連白血病(抗がん剤や放射線によってもたらされた白血病)は急性骨髄性白血病がほとんどであり tAML という。治療関連の骨髄異形成症候群は tMDS というが MDS は前白血病状態とも位置付けられ tMDS は tAML に移行することが多く、tAML/tMDS と括られることもある。非ホジキンリンパ腫を抗がん剤で治療した後10年間で tAML/tMDS を発症する患者は5-8%ほどと見られ、抗がん剤の量や期間、あるいは放射線治療の有無は tAML/tMDS 発症の重要な因子である(当然、多いほど、期間が長いほど危険である)。tAML/tMDS は自然発生した AML や MDS に比べ治療の成績が良くはなく、予後不良であることが知られている。tAML は化学治療で寛解に持っていっても早期に再発することが多く、造血幹細胞移植を積極的に検討する必要があるが、移植の成績も自然発生した AML に比べると良くはない。抗がん剤もアルキル化薬によって引き起こされた白血病の場合は薬剤の投与から白血病発症までの期間は5-7年程度と長く、MDS の段階を経て急性骨髄性白血病になることが多く、予後は極めて悪い。同じ抗がん剤でもトポイソメラーゼII阻害薬によって引き起こされる白血病は薬剤の投与から白血病を発症するまでの期間は2-3年でアルキル化薬による白血病よりは予後がまだしも良いが、やはり難治である。また治療関連の CML や ALL も tAML ほど多くはないが報告されている。治療関連の CML は tAML ほどには性質は悪くはないとされている。
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