病期リスク分類病理組織学的分類とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 病期リスク分類病理組織学的分類の意味・解説 

病期・リスク分類・病理組織学的分類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:00 UTC 版)

前立腺癌」の記事における「病期・リスク分類・病理組織学的分類」の解説

前立腺癌には「TNM分類」と「ABCD分類」(ジュエット分類)という2つ病期分類法(進行度ステージ浸潤度)がある。TNM分類は癌の大きさ(T分類)、所属リンパ節転移有無(N分類)、遠隔転移有無(M分類)の3つ分けて分類する方法であり、ABCD分類腫瘍進展別に分類する方法である。ちなみにTNM分類国際対癌連合すなわちUICC作成しているもので、TUMOUR(腫瘍原発巣)、NODESリンパ節)、METASTASIS転移)の頭文字である。現在、治療現場でTNM分類採用されることが多いが、上に上がるたびに進行しているといったように患者にとってわかりやすいABCD分類採用される事も少なくなく、日本泌尿器科学会日本病理学会前立腺癌取扱い規約ではABCD分類採用されている。 分類上の問題として、T分類根拠直腸診によるのか、超音波検査によるのか、MRIによるのか、統一されていないことが挙げられる。(例えば、今まで用いられてこなかった感度の高い診断手法装置病期分類などを行なうと、見かけ治療成績上がる、という現象生じる。)また、T分類においては生検所見ではなくMRI超音波によって分類する必要があり、画像片側にしか病変確認できないが、生検では両からがん細胞証明され症例について、T2c分類するのは不適切である。前立腺癌では、多発病変扱いTNM分類分類規則例外である点も注意が必要である。一般に多発病変確認され場合そのうち進行度の最も高い病変についてT分類行なうが、腫瘍多発することが多い前立腺癌では、独立した結節が両認められる場合、これをT2cとする慣例がある。精嚢浸潤T2強調画像冠状断評価しやすい。MRIによる原発巣存在診断には、以前は造影検査用いられてきたが、拡散強調画像(DWI)でも明瞭に描出されるため、ルーチンシーケンスが置き換わっている。 TNM分類 UICC 8th edition 以下の分類腺癌限って適用するよう定められている。TX原発腫瘍評価不可T0原発腫瘍認めない T1a :直腸診画像検査では見つからないが、組織調べると切除した組織の5%以下に偶然発見された癌。 T1b :直腸診画像検査では見つからないが、組織調べると切除した組織の5%を超え、偶然見つかった癌。 T1c直腸診画像検査では見つからないが、PSAの上昇で疑われ生検によって確認された癌。 T2a :癌が前立腺の片2分の1に留まっている。 T2b :癌が前立腺の片2分の1超えているが、両には及ばないT2c :癌が前立腺の両広がっている。 T3a :癌が前立腺被膜外へ広がっている。 T3b :癌が精嚢浸潤している。 T4 :癌が精嚢以外の隣接臓器膀胱・頸部外尿道括約筋直腸・拳筋・骨盤壁)に浸潤している。 NX所属リンパ節転移評価不可能 N0 :所属リンパ節転移なし N1前立腺癌領域リンパ節転移している。(内調リンパ節・外腸骨リンパ節閉鎖リンパ節M0遠隔転移なし。 M1 :前立腺から離れたリンパ節臓器などへの転移、骨への転移がある。(M1a:領域外リンパ節への転移, M1b:骨転移, M1c:その他の部位への転移) StageT-classificationN-classificationM-classificationStage IT1, T2a N0 M0 Stage IIT2b, T2c N0 M0 Stage IIIT3, T4 N0 M0 Stage IVAny T N1 M0 〃Any T Any N M1 なお、UICCTNM分類第8版は、2017/1/1より適用されている。 ABCD分類 A1 :前立腺内に留まってい高分化癌(=T1a) A2前立腺内に広がった癌か低分化癌(=T1b) B1前立腺癌の片病変が留まってい単発の癌(=T2bB2前立腺の片全体両側またがっている癌(=T2cC1前立腺被膜被膜外に広がっている癌(=T3a) C2膀胱頸部尿管閉塞見られる(=T4D1骨盤内のリンパ節に癌の転移見られる(=N1D2D1より広範囲リンパ節や骨、肺、肝臓などの遠隔部位に癌の転移見られる(=M1) グレードグループ 前立腺癌では病理組織学悪性度予後関与することが従前より指摘されてきた。近年組織病理学分類一つとして、より予後予測有用考えられるグレードグループというものが、新たに提唱されUICCTNM分類第8版採用されている。 グリソングレードグリソンスコアグリソンパターン1 ≦6 ≦3 + 3 2 7 3 + 4 3 7 4 + 3 4 8 4 + 4 5 9 - 10 4 + 5, 5 + 4, 5 + 5 リスク分類 UICCTNM分類のみでは、前立腺癌治療方針決定予後推定には不十分であり、これを補うため様々なリスク分類提唱され用いられている。例えば、D'Amico分類では低リスク中間リスク、高リスク3つのリスク群に分類される低リスクは、cT1-T2a, PSA10 ng/mL,グリソンスコア 6以下を全て満たすものであり、高リスクは、T2c以上, PSA >20ng/mL, グリソンスコア 8以上のうち、一つでも満たすものがあった場合であり、中間リスクは、それ以外である。他にも様々なリスク分類提唱されている。

※この「病期・リスク分類・病理組織学的分類」の解説は、「前立腺癌」の解説の一部です。
「病期・リスク分類・病理組織学的分類」を含む「前立腺癌」の記事については、「前立腺癌」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「病期リスク分類病理組織学的分類」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「病期リスク分類病理組織学的分類」の関連用語

病期リスク分類病理組織学的分類のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



病期リスク分類病理組織学的分類のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの前立腺癌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS