王座の扱いをめぐって
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 14:37 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション事件」の記事における「王座の扱いをめぐって」の解説
2011年11月、WBAは清水智信を日本人世界王者として初めて休養王者と認定した。JBCは「休養王者と正規王者は同等の扱い」と認識しており、この認識を東日本ボクシング協会と共有していた。陣営はJBCに対し、(1) 休養王者と正規王者を同等の扱いとしたことについての説明、(2) 正当な理由があるにもかかわらず国内での暫定タイトル戦を認めなかった理由、(3) WBAからJBCに届いた公式文書の開示、(4) WBA総会への参加者が試合役員のみであり、JBC事務局が不参加であった理由、などについて質問状を送ったが、JBCからの回答は、(1)「JBCが見解を述べる事は差し控えさせていただきます」、(2)「JBCの内規、方針として運用しております」、(3)「WBAの正式承認と認識しました」「WBAの承諾がない限り差し控えさせていただきます」、(4)「JBCとしてはご回答する必要性が認められませんので、回答を控えさせていただきます」などといったものであった。このときJBCの一部には、選手を守れなかったことを悔やむ者もいたという。 2012年6月20日、日本プロボクシング史上初の現役世界王者同士による王座統一戦として東京都で行われた井岡一翔 対 八重樫東戦では、WBC・WBAの立会人同士による事前調整のおかげで「ルールミーティングでも混乱はなかった」と報じられながらも、試合前々日から前日にかけて勝者が獲得する王座についての情報が間違って伝えられるというトラブルがあった(詳細は井岡一翔 対 八重樫東戦#日本初の王座統一戦へを参照)。 2016年3月30日から3日間フィリピンで開催されたOPBF総会では当初、暫定王座の正式な導入が予定されており、4月1日にはスーパーフライ級、バンタム級、スーパーフェザー級の3階級で暫定王座決定戦が行われることになっていた。当時、この3階級ではそれぞれ、JBC管轄下の井上拓真、山本隆寛、伊藤雅雪が正規王座についていたが、同月24日、統括本部長の浦谷信彰は「日本としては見守っていく方向」と静観する方針を示した。JBCは2011年2月28日の委員長会議において、「本来の暫定タイトルの趣旨を逸脱した形で」濫発されるWBAの暫定タイトル戦について、「(1) 本来の意味での暫定タイトル(タイトルが正当な理由により凍結状態になっている場合)以外の暫定タイトルマッチは国内では認定しない。(2) 海外で暫定王座を獲得しても、従来与えられた正規王者と同等の資格は認めない。」との方針を決め、この姿勢を維持してきた。時事通信の記事は「ボクシング界は現在、正規王者以外が就く複数の名称の王座が乱立。ファンには分かりづらく、OPBFに異を唱えないJBCの姿勢も問われそうだ。」と報じた。結局、JBCは「権威がなくなる」等の意見を提出し、OPBF総会では暫定王座の代わりにシルバー王座が設置された。
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