犯人は誰か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 21:55 UTC 版)
犯人については様々な説がある。第一発見者のチャールズ・ドーソンが疑われたのは当然で、すでに当初から疑惑がささやかれていたのは上述の通りである。2016年にロンドン自然史博物館などがまとめた研究成果では、骨の標本の分析などを行うことで、第一発見者のチャールズ・ドーソンを犯人とほぼ断定している。しかし一方では、彼は単に利用されただけで真相は知らなかったとする意見もある[誰によって?]。 古人類学が黎明期にあったとはいえ、長らく専門学者たちをだまし続けるほどの偽物を造るには高度の知識と技術が必要であるとして、当時の研究者であるウッドワード・キースやエリオット・スミスなどの犯行とする説もある[誰によって?]。 1983年には『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者として有名な作家アーサー・コナン・ドイルが犯人であるとの説が出されている[誰によって?]。彼がピルトダウン近郊の住人であったこと、医師を本業としていて骨を捏造し得る知識があったこと、ホームズ物の他に『失われた世界』のようなSF小説も書いており、古生物や古代世界に関心があったことなどが論拠とされている。ただし当時は既に著名人であり発掘現場を徘徊して誰何された場合は即刻露見する身分であった。 イギリスの科学雑誌『ネイチャー』は、発見された遺品を根拠として、ロンドン自然史博物館に学芸員として勤めていた、げっ歯類を主とする動物学者マーティン・ヒントン(Martin A.C. Hinton)なる人物が真犯人であったとする説を1996年5月23日号に掲載した。同博物館の屋根裏からヒントンの旅行鞄が発見されその中からピルトダウン人の加工と同じような処理が施されたゾウ、カバの化石が発見された。またヒントンは化石の変色についての論文を発表しており、これもまたピルトダウン人の人骨の染色と似たような方法が施されていた。ヒントン犯行説は、ウッドワードに対する怨恨(薄給、仕事を回さない)が犯行動機であったと説明する。(但し、ヒントンは発掘現場へ足を運んだ形跡が無い、との説もある) 様々な容疑者が取り沙汰されるも、ピルトダウン化石の捏造が明らかになった前後に関係者らはことごとく他界しており、真相の究明は非常に困難である。
※この「犯人は誰か」の解説は、「ピルトダウン人」の解説の一部です。
「犯人は誰か」を含む「ピルトダウン人」の記事については、「ピルトダウン人」の概要を参照ください。
- 犯人は誰かのページへのリンク