特別操縦見習士官とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 身分 > > 特別操縦見習士官の意味・解説 

特別操縦見習士官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 06:42 UTC 版)

特別操縦見習士官(とくべつそうじゅうみならいしかん)とは、高等教育機関を卒業後または在学中に日本陸軍航空の予備役将校操縦者となることを志願し、選抜されて養成教育をうける者である。場合により特操と略され、一部の報道では学鷲とも呼ばれた。太平洋戦争中の1943年昭和18年)7月に戦時下の特例として制度が定められ同年10月に第1期の教育を開始し、戦争終結までに通算で4期の採用があった。


注釈

  1. ^ 採用年齢の下限も1年引き下げられた。
  2. ^ 勅令原文ママ。銓衡(せんこう)とは採用などに際し、人物・才能などをつまびらかに調べ考えること。『広辞苑』第三版
  3. ^ 禁錮以上の刑に処せられた者、または破産の宣告を受け復権を得ていない者には資格がない(同勅令第2条)。
  4. ^ 改正は「陸軍航空関係予備役兵科将校補充及服役臨時特例中改正ノ件」(昭和18年勅令第936号)による。
  5. ^ 特操に採用された時点で飛行機操縦士または滑空機乗員の免状を持つ者、あるいは飛行機操縦検定に合格している者の修業期間はさらに短く、入営日から1年であった。
  6. ^ 陸軍では航空機操縦者養成の制度として、ほかに操縦候補生特別幹部候補生逓信省航空機乗員養成所の出身者を下士官とするものなどがあった。
  7. ^ 特操制度を定めた勅令では「特別操縦見習士官ハ仙台陸軍飛行学校又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ航空関係ノ兵科将校タルニ必要ナル教育ヲ受ケシム」(第5条)とされている。仙台陸軍飛行学校は主として特操と同じく予備役将校操縦者となる甲種幹部候補生教育の学校であることから特に指定されていたが、実際には大量の人員を教育するために各地の陸軍飛行学校と教育隊に分散された。『陸軍航空の軍備と運用<3>』210-211頁
  8. ^ 特操第3期、第4期のうち約420名は1944年9月輸送船で門司を出航し、同年12月末にシンガポールに到着。翌1945年1月から第55航空師団隷下の飛行隊で、ジャワ島とマレー半島に分かれ高等練習機による飛行訓練を受けた。『茨木機関潜行記』9頁『諜報部員脱出せよ』36頁
  9. ^ 特操は予備役将校の養成制度であるため書類上は少尉任官と同時に予備役編入、臨時召集という手続きがされ、そのまま従来の勤務を続ける。
  10. ^ 昭和18年勅令第566号の第8条、第9条による。幹部候補生となっても少尉任官の時期は特操と同時とされた。
  11. ^ 陸軍中将富永恭次の長男。

出典

  1. ^ 『陸軍航空の軍備と運用<3>』200頁
  2. ^ 『陸軍航空の軍備と運用<3>』200-201頁
  3. ^ a b c 『陸軍軍戦備』383頁
  4. ^ 『陸軍航空士官学校』200頁
  5. ^ 『陸軍航空の軍備と運用<3>』201,207-208頁
  6. ^ a b c d e f g 『陸軍航空の軍備と運用<3>』209頁
  7. ^ a b c d e f g h i j 御署名原本・昭和十八年・勅令第五六六号・陸軍航空関係予備役兵科将校補充及服役臨時特例」 アジア歴史資料センター Ref.A03022845900 
  8. ^ a b c 『陸軍航空の軍備と運用<3>』210頁
  9. ^ 陸軍航空関係予備役兵科将校補充及服役臨時特例ヲ定ム」 アジア歴史資料センター Ref.A03010103600 
  10. ^ 週報 第352号」 アジア歴史資料センター Ref.A06031051400 
  11. ^ 『若鷲となるまで』127頁
  12. ^ a b c 告示 陸軍省告示第31号『官報』第4942号、1943年7月5日
  13. ^ a b c 『陸軍航空の軍備と運用<3>』212頁
  14. ^ a b c d e f g h i j k 「1943年夏の大量動員」
  15. ^ a b 『陸軍航空の軍備と運用<3>』211頁
  16. ^ 『陸軍軍戦備』383-384頁
  17. ^ a b c d 告示 陸軍省告示第9号『官報』第5147号、1944年3月13日
  18. ^ 御署名原本・昭和十八年・勅令第九三六号・陸軍航空関係予備役兵科将校補充及服役臨時特例中改正ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.A03022882900 
  19. ^ 陸軍異動通報 1/4 昭20年(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C12120933200 
  20. ^ a b c 『茨木機関潜行記』9頁
  21. ^ 『諜報部員脱出せよ』81-82頁
  22. ^ 大陸命 巻21 (第1351~1392号) 昭和20.06~08月(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C14060924300 
  23. ^ 御署名原本・昭和二十一年・勅令第三一九号・陸軍武官官等表等を廃止する勅令」 アジア歴史資料センター Ref.A04017827200 
  24. ^ 『学生と兵役』120-124頁
  25. ^ 御署名原本・昭和二年・勅令第三三一号・陸軍補充令中改正」 アジア歴史資料センター Ref.A03021670300 
  26. ^ 『学生と兵役』134-149頁
  27. ^ 写真週報 327号」 アジア歴史資料センター Ref.A06031092200 
  28. ^ 『写真報道 学鷲ー陸軍特別操縦見習士官ー』『写真報道 学鷲ー海軍予備学生ー』
  29. ^ 御署名原本・昭和十八年・勅令第七五五号・在学徴集延期臨時特例」 アジア歴史資料センター Ref.A03022864800 
  30. ^ a b 『茨木機関潜行記』8頁
  31. ^ 陸軍少尉横野朝明外一名叙勲の件」 アジア歴史資料センター Ref.A10113484000 
  32. ^ 陸軍少尉岡井栄一外四名叙勲の件」 アジア歴史資料センター Ref.A10113481700 
  33. ^ 陸軍少尉高梨俊雄叙勲の件」 アジア歴史資料センター Ref.A10113482700 
  34. ^ 陸軍少尉服部琴之叙勲の件」 アジア歴史資料センター Ref.A10113488900 
  35. ^ a b 私の履歴書 飛行学校 家出に父も折れる
  36. ^ 陸密綴 昭和18年~19年(防衛省防衛研究所)」 アジア歴史資料センター Ref.C12120504700 
  37. ^ 『陸軍航空の軍備と運用<3>』329-330頁
  38. ^ 「終戦と学徒」


「特別操縦見習士官」の続きの解説一覧




特別操縦見習士官と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「特別操縦見習士官」の関連用語

特別操縦見習士官のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



特別操縦見習士官のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの特別操縦見習士官 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS