爆撃機B計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/23 08:46 UTC 版)
ユンカース社は1937年後半からJu 88にJumo 222を搭載し性能を劇的に向上させた発展型、あるいは4つのクランクシャフトを持つJumo 223ディーゼルエンジンを搭載した型の研究をおこなっていた。 ドイツ航空省は1939年7月にB爆撃機計画の仕様書を発行した(ちなみにA爆撃機計画は1936年6月3日にRLMが名称をつけた重爆撃機の開発計画で、ハインケル社が計画を遂行し、ハインケルHe 177を完成させている)。 B爆撃機計画はフランス、またはノルウェーの基地からイギリスのどの場所へでも爆撃できる航続距離を持ち、最高速度600km/hで爆弾搭載量4000kgを備えた新型の中型爆撃機を要求していた。 また、乗組員の作業性、防御火器の性能向上のために、与圧キャビンと遠隔操作の銃塔の搭載が計画されていた。 ドイツ航空省は高性能な機体を求めたB爆撃機計画で設計された機体をもって、既存の運用されている爆撃機を全て更新する予定だった。 アラド社、ドルニエ社、フォッケウルフ社とユンカース社が計画に参加し設計た。また、ヘンシェル社も後にHs 130で参加している。しかしこの競作は形式的なものであり、既にユンカース社のJu 288が量産対象に選定されており、プロトタイプの発注がなされていた。 アラド社のAr 340は設計段階で落とされ、ドルニエ社のDo 317は優先順位を落として開発されることとなった。一方、フォッケウルフ社のFw 191もプロトタイプの発注が行われたが、フォッケウルフ社とドルニエ社の機体は計画のバックアップとしてRLMの技術局(T-Amt)で他の設計のテストベッドとして実験が開始された。 例えば、航空機を高高度で運用した際に、油圧装置が凍結する可能性を回避するためFw 191では電動モーターによる駆動システムを実験的に搭載していた。 しかしこのシステムは航空機の配線を非常に複雑なものにしてしまい、機体製造やメンテナンス時の作業量が激増した。また、モーターの数が多く、故障する可能性も高いシステムだった。
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