漆器・漆製品
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漆器には、東京国立博物館所蔵で国宝の『片輪車蒔絵螺鈿手箱』(かたわぐるままきえらでんてばこ)がある。平安時代の工芸を代表する蒔絵の名品であり、表面は金・青金の研出蒔絵(とぎだしまきえ)や螺鈿を用いて流水に半分浸された多数の車輪を描き、内面には金と銀の研出蒔絵で草花や飛鳥が描かれている。いずれも、当時は料紙装飾などで多用された文様である。なお、今日では手箱と称されているものの、当時は装飾経を収める経箱として造られたものである可能性が高いとみられている。 大阪府河内長野市の金剛寺所蔵の『野辺雀蒔絵手箱』は12世紀の作で、重要文化財に指定されている。親雀が子に餌を与えるすがたは、宋画における定形の図様を借用しているとの指摘があり、また、野辺に雑草を描くのも北宋の影響とみられる。 大形のものとしては、『中尊寺金色堂須弥壇』が特に知られる。黒漆に金蒔絵と螺鈿を施した壇であり、框と束は金銅の薄板でおおわれ、格狭間には伝説の鳥である鳳凰などの装飾が施されている。壮麗な壇として知られ、壇上に阿弥陀三尊・六地蔵・二天が安置される。壇下に奥州藤原氏3代の遺体を納めている。
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漆器・漆製品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:13 UTC 版)
漆器は、前代にくらべて器形が端正になり、文様も従来の象徴的な自然描写から写実的な絵画表現へと変化した。また、歌絵、葦手絵にならった意匠も用いられた。技法としては、平蒔絵、高蒔絵も出現した。 鎌倉時代前葉では、畠山記念館所蔵の蝶文手箱、出雲大社秋野蒔絵螺鈿箱、輪王寺蒔絵手箱、中葉では、鶴岡八幡宮籬菊文硯箱、サントリー美術館浮線綾文手箱、後葉では三嶋大社梅文蒔絵櫛笥、大倉集古館の扇散文蒔絵手箱などがある。 なお、この時代の螺鈿技術の進展も著しく、ことに、螺鈿のみで巧妙に絵画的模様を示した永青文庫所蔵の時雨鞍は、その妙技を示す逸品として名高い。
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