源雅遠(みなもとのまさとお)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 08:18 UTC 版)
「桜嵐恋絵巻」の記事における「源雅遠(みなもとのまさとお)」の解説
本編のもう一人の主人公。四条左大臣家の嫡子。母は先々代の帝の女五の宮(皇女)。非蔵人→五位蔵人兼左近少将→蔵人頭兼左近中将(後日談では三十を過ぎた時点で大納言にまで出世している)。対立する右大臣派は鬼蔵人、鬼亜将、鬼の少将と蔑称で呼ぶ。まっすぐで裏がなく、人から好かれる優しい性格。顔立ちは凛々しく、詞子が「一度見ただけで強く記憶に縫いとめられた」と評す、なかなかの美男子。しかし一方名前の通り、貴族の雅さからはほど遠く、歌が詠めず、乗馬や蹴鞠、弓などをしているほうが好きという変わり者(しかし風流がわからないというわけではなく、花を好み楽器の音を聞き分けることもできる)。それぞれがかなりの腕前で、とくに弓は夜闇の中でも離れた場所にいる盗賊を、怪我を負った状態で射止めるほど。歌の苦手さは筋金入りで、詞子と逢う前に出した恋歌もほとんどが代作。一度敦時に代作を頼み、それを4、5人に使い回していたこともある。絵も上手く、詞子に贈った恋詩にも書いたことがある。笛は現在詞子に習っている最中だが、少なくとも母宮が見直すほどには上達している。恋には疎く、そもそも敦時に教えられるまで、恋というものを歌を交わすだけのものと勘違いしていた。無位無官で自堕落な生活を送り、恋心も知らないまま手当り次第に受領の娘の元へ通っては相手にされず追い返される、という暮らしを送っていたが、何となく遠乗りでやってきた白河で桜に誘われ詞子と出逢い、自覚のない一目惚れをする。その後強引ともいえる来訪を重ね、白河の屋敷に入り浸るようになる。しかし詞子との関係を保名に知られたことを契機に自分の甘さを痛感し、苦悩の末に詞子を守るため「親や家の力に頼らず、自分の力で出世する」ことを決意し、登花殿の女御を救ったことにより帝から従五位下の位を賜る。出来が悪いと常々噂されていたが、爽信によると「出来が悪いはずがない」とのことで、頭の回転は速く推理力や洞察力も高い。仕事ができるともっぱらの評判で、仕事仲間も間違えたところを見たことがない(実際悪評は利雅の母が流させただけで、利雅は後に「少なくとも勉強はきっと兄の方が勝っていた」と語っている)。詞子を周りが呆れ返るほど溺愛しており、人目をはばからずよく抱きつき口付けをしたりする。その反面、詞子が誰かから恋歌をもらうところを想像しただけで腹が立ったり、詞子が美形に興味のあるような言葉(本人にその気はなかったが)を言っただけで剣呑な目つきになるなど、かなり嫉妬深い。
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