温泉宿の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 18:19 UTC 版)
黒部峡谷鉄道のトロッコ列車の運行期間のみの営業となる。黒薙温泉は現在黒部観光開発株式会社が経営している。この会社は富山地方鉄道グループで宇奈月温泉への送湯事業等を行う。黒部川支流の黒薙川に面した木造二階建ての一軒宿である。流れは激しく、川に面した部屋は川音が大きい。そのため、音に敏感な人は注意を要する(受付で耳栓の販売もある)。眺めがなく少し薄暗いものの、山側の部屋に案内してもらうこともできる。 部屋は、テレビなどの娯楽機器はない簡素な部屋である。食堂も簡素であるが、食事は四季の山菜。岩魚の塩焼き・富山名産の昆布じめ刺身などが楽しめる。 もとは湯治場であったが、長年親しまれた自炊所は2008年度(平成20年度)いっぱいで営業を終了し、宿泊者向けのフリースペースとなった。なお、食堂入口には硬貨専用の公衆電話、缶ビール、清涼飲料水などの自動販売機、アナログ衛星放送のみ放映可能な小型テレビ、新聞朝刊が置かれる。 浴場は、旅館併設の男女別の内湯と、宿から3分ほど上流に歩いた混浴の露天風呂がある。また、近年吊橋を架けた向かいに女性専用屋根付き露天風呂「天女の湯」が新設された(双方ともに、夜間帯には女性専用・男性専用の入れ替え時間帯が設けられている)。露天風呂にはテントの更衣室が併設されている。 混浴露天風呂のすぐ手前に源泉がある。ここは黒薙温泉の源泉であるとともに、黒部川の川下に位置する宇奈月温泉の全ての宿の源泉でもあり、延々と黒部川沿いに引湯管が宇奈月まで設置されている。これはトロッコの車窓からも確認できる。 7月の下旬から8月の昼間は血を吸うアブ(清流にのみ生息するアブ、イヨシロオビアブ・方言でオロロ)の発生はもとより、大自然に囲まれた一軒宿であることもあり昆虫類の生息数が多く、対策として露天風呂には大型の蚊帳が張られる。それでも蚊帳をかいくぐって侵入してくる虫が多く、明るい時間帯の露天風呂入浴は注意が必要である。 なお、携帯電話(衛星携帯電話を除く)は2016年よりNTTドコモのエリアになった。また、日本郵便から交通困難地の指定を受けているため当地宛に郵便物を送付することも出来ないので、注意を要する。
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