洞口家住宅とは? わかりやすく解説

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洞口家住宅(宮城県名取市大曲)

名称: 洞口家住宅(宮城県名取市大曲
ふりがな ほらぐちけじゅうたく
名称(棟):
名称(ふりがな):
番号 1822
種別1: 近世以前民家
国宝重文区分 重要文化財
指定年月日 1971.12.28(昭和46.12.28)
員数(数): 1
員数(単位):
代表都道府県 宮城県
都道府県 宮城県名取市大曲中小路26
所有者名:
指定基準
管理団体名:
管理団体住所
管理団体指定年月日
構造形式 桁行22.6m、梁間11.0m、寄棟造北面附属茅葺
時代区分 江戸後期
年代 宝暦頃(1751-1763)
解説文: 洞口家住宅は名取地方大型農家で、ほぼ矩形宅地周囲には堀がめぐらされ背後には「いぐね」と呼ばれる防風林があって、この地方旧家宅地の形をよく残している。 主屋前の表門馬屋もこの家の屋敷構には欠くべからざる要素であり、附指定して保存をはかる。
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洞口家住宅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/14 17:05 UTC 版)

洞口家住宅

洞口家住宅の長屋門(2012年2月18日撮影)
所在地 宮城県名取市大曲字中小路26
位置 北緯38度10分22.4秒 東経140度54分55.3秒 / 北緯38.172889度 東経140.915361度 / 38.172889; 140.915361座標: 北緯38度10分22.4秒 東経140度54分55.3秒 / 北緯38.172889度 東経140.915361度 / 38.172889; 140.915361
類型 農家
形式・構造 木造、石場建て、寄棟造茅葺
敷地面積 約1500[1]
延床面積 242m2[2]
建築年 宝暦年間(1751年 - 1763年[2]
文化財 重要文化財(国指定)
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洞口家住宅(ほらぐちけじゅうたく)は宮城県名取市大曲字中小路にある江戸時代建立の民家。国の重要文化財に指定されている。

概要

建立の時期は、宝暦年間の祈祷札の存在や、旧仙台藩領内の他の民家との比較により、 宝暦年間(1751年から1763年)と考えられている[2]仙南平野(狭義の仙台平野)の中央部に位置する名取平野の水田地帯に立地し、敷地約1500の周囲は居久根(いぐね、防風林)で囲まれている。洞口家の由緒は不明だが、「たてやしき」または「たての家」とも呼ばれる[1][2]

主屋は木造平屋建、寄棟造茅葺で、柱を石場建て[3]とする。柱も梁も自然な木材の曲がりを利用し、を使わずに組まれている。主屋の規模は桁行(間口)25メートル、梁間(奥行)11メートルで、南を正面とし、東側を土間、西側を床上部とする。土間と床上部の間には間仕切りがない。間取り漢字の「田」の字のような整形四間取り系で、下手は正面側から「デイ」「ナンド」「コナンド」の3室、上手は「ナカマ」「チャノマ」とする[4]。整形四間取りの古民家は関西九州地方に多く、宮城県内では唯一名取平野でのみ見られるため、名取型とも呼ばれている[1]。この様式では旧仙台領内最大規模の古民家である[5]。建物内部は建立後にかなり改変されたが、土間には計6本の独立柱が立ち、作業に使った味噌樽や木臼が置かれるなど、この地域における当時の大型農家の様式をよく残している。

主屋の前には明治21年(1888年)建築の長屋門と馬屋がある[5]。主屋の裏手(北)には味噌蔵、座敷蔵、屋敷神の住内明神(じないみょうじん)などが建ち、長屋門の南方、道路を隔てた敷地には米蔵が建つ。

なお、名取市は2011年3月の東北地方太平洋沖地震後の津波により閖上地区などが壊滅的な被害を受けた。仙台東部道路の西側にある本住宅周辺には、津波は到達しなかったものの主屋や蔵の土壁が崩れ、柱が損傷するなどの被害を受けている。

利用

2019年現在、住宅を所有する洞口家は古民家としての有効活用を進めており、米蔵は東北工業大学の協力を得て作品展示のギャラリーに、みそ蔵はカフェになっている。主屋では、毎週土曜に産直市が開かれている[6]

文化財指定

以下の建物および土地が「洞口家住宅」として国の重要文化財に指定されている。

  • 主屋
  • 土地 8153.63平方メートル 宅地、畑、山林、用悪水路(住内明神および塚を含む)

(以下は附(つけたり)指定)

  • 表門(長屋門)
  • 馬屋
  • 米蔵
  • 味噌蔵
  • 座敷蔵
  • 祈祷札

主屋は1971年12月28日に国の重要文化財に指定。1985年5月18日付けで建物とともに土地4152.06平方メートルも重要文化財に指定されており[7]、長屋門、馬屋、祈祷札が附(つけたり)指定となっている[8]。さらに2012年7月9日付けで土地と建物(米蔵、味噌蔵、座敷蔵)が追加指定されている。この時追加指定された土地は、表門から道路を隔てて南側の敷地(米蔵が建つ)と、屋敷地北側の「いぐね」(防風林)の未指定部分であり、土地指定の面積は計8153.63平方メートルとなった[9]

アクセス

脚注

  1. ^ a b c 『名取市史』 pp.862-863
  2. ^ a b c d 洞口家 - 名取市指定文化財(詳細)”. 名取市 (2010年2月18日). 2012年1月18日閲覧。
  3. ^ 礎石の上にを載せただけで、柱と基礎の間は緊結しない構造の建築物。
  4. ^ 『解説版 新指定重要文化財 12 建造物II』、毎日新聞社、1982、p.24
  5. ^ a b 洞口家住宅”. 伝えたい、残したい|なとり百選. 名取市. 2012年1月18日閲覧。
  6. ^ <いぎなり仙台>建物探訪してみっぺ[20]洞口家住宅(名取市)/江戸期の民家今も活用”. 河北新報ニュース (2019年). 2019年12月23日閲覧。
  7. ^ 文化庁の「国指定文化財等データベース」の「洞口家住宅」の項では土地指定の旨が脱落している。
  8. ^ 昭和46年12月28日文部省告示第220号、昭和60年5月18日文部省告示第68号。文化庁編『国宝・重要文化財建造物目録』、第一法規出版、1990
  9. ^ 「新指定の文化財」『月刊文化財』586号(第一法規、2012)、平成24年文部科学省告示第109号

参考文献

関連項目



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