水道光熱について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 07:54 UTC 版)
上水道については、現在に至ってもあまり改善が見られず、台所の蛇口の水は煮沸させてから飲用するのが常識となっている。 冬季間の暖房については、アタプレーニエと呼ばれる地域暖房・地域熱供給方式が採られており、集合住宅の幾つか毎に割り当てられた(全都市の随所に設けられて稼働している)アタプレーニエ用熱水供給施設より各アパート棟そして各部屋の温水暖房機へ供給される温水熱により暖を取っている。燃料コストの節約・効率化に有利だが、肝心の「暖房使用選択の自由」が住人には与えられず、アタプレーニエ稼働の管轄権を持つ行政機関部署の判断を毎年待たないといけない。暖房の強弱調整についても住人が干渉出来ず、ソ連崩壊後の混乱を経て市民経済が落ち着きをある程度取り戻した今日のロシア中流階級世帯では室内で薄着になりアイスを頬張る等、未だに住人各自の工夫で対応を迫られている。 都市ガス・プロパンガスはほとんど普及していない。1965年にサハリン、ユジノサハリンスクで建設されていたアパートでは、前述のセントラルヒーティングが完備されている一方、ガスの設備はなく調理には薪を使う仕様であった。他の地域でも、台所の調理器具は日本の様なガスコンロは見られず、電気コンロ(他、電子レンジ等)が設置されているのが通常である。前述の「アタプレーニエ」稼働期間外である夏季に浴室温水を確保する際は、浴槽(もしくは洗面器やバケツ)に注水した水道水に電熱式携帯湯沸かし器を挿入して湯を沸かす方法が常態化しており、1990年8月20日サハリン州にて発生した「コンスタンチン君大火傷事件」は、この面倒で危険な家事手伝いを幼少の子供に任せたことが原因とされている。
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