水元役についてとは? わかりやすく解説

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水元役について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 07:38 UTC 版)

神田上水」の記事における「水元役について」の解説

神田上水水元役に内田次郎及びその子孫1770年明和7年)に罷免されるまで勤めている。水元役は他に水元町人・水役などとも呼称されていた。 神田上水水元役を任ぜられた内田次郎井之頭池見立てたといわれ、大久保藤五郎忠行とともに神田上水開設した人物挙げられている。上水開設者の家が代々水元役を勤めるというのは神田上水だけではなく玉川上水三田上水千川上水でも同様になっていた。彼らは上水請負人として武家町方から水銀徴収していただけではなく上水の管理全般に渡って広い権利持っていた。 内田家神田上水水元役としてどのような役割担ってきたかについて、『上水記』第八巻詳しく記述されている。 願人内田)茂十郎 右之者相願は同人先祖次郎慶長年中御入国之砌神田上水開発者之者にて 台徳院(秀忠)様御成先に頂戴物いたし其上水池普請成就之節上水末々過不足無之行届候様出精可仕旨之御黒印水元役と役名被下置其後水道橋辺にて弐千坪余之屋敷拝領致候処萬治年中小石川江戸川御普請ニ付当時水道橋御用地に相成右拝領屋敷茂其節差上候て無足ニ付追年困窮いたす 水元役難相勤間御扶持方拝領地之儀旦帯刀御免之儀内々相願候得共御沙汰無之享保十七子年五月石黒左兵衛源津八郎右衛門懸り之節呼出之上御当地上水開発之ものに付武家町在より水銀取立是を以相勤候様本多伊予守江窺之上申渡候由依之為冥加水戸殿屋敷内小石川大下上渡之儀 公儀御入用之場所を水銀之内を以相仕立申度旨相願候処願之通被仰渡其砌上水掛り武家之分江茂十郎上水開発之者に候処無是に水元役相勤来候儀に付高百石に付銀弐部弐厘宛可相渡左兵衛八郎右衛門より相触右水銀受納無滞御用相勤 (下略) 『上水記』第八巻 内田家先祖次郎功績により、2代将軍徳川秀忠から神田上水水元役を代々勤めるように任ぜられたという。その後水道橋近く2000坪の屋敷拝領したが、万治年間屋敷返上し無給水元役を勤めているために生活に困ったという。 内田家水銀徴収始めたのが1732年享保17年)からであることがわかる。享保17年以前水銀徴収請け負っていたかについては定かではない享保17年以降徴収した水銀を生活の一部充てていたことが1777年安永6年)に内田茂十郎提出した復職願に記されている。それ以前無給水元役を勤めているため生活が苦しかったということなので、享保17年より前に水銀徴収をしていたとは考えにくい。あるいは玉川上水水元役である両玉川家(玉川上水開削指揮をとった玉川兄弟の子孫)のように、上水修理携わってきたかもしれない。だが、それを明確にするだけの史料欠けている以上確証はない。 1770年明和7年)に内田茂十郎水元役を罷免されたわけだが、なぜ罷免されたかについては明記されていない8代将軍徳川吉宗による享保の改革以降幕府上水支配改革積極的に行ってきた。その結果江戸の上幕府直営色合い濃くなった。幕府上水開発者の子孫が上水管理関わるということが疎ましくなった。両玉川家が1739年元文4年)に玉川上水水元役を罷免されており、このことと同様に内田家に非があろうが無かろうが、水元役という請負人廃止しようとした傾向がある。内田茂十郎失脚個人的理由からではなく、この時期多く水道改革によって幕府より締め出されたと思われる。更に両玉川家の罷免から内田茂十郎罷免までのおよそ約30年間の月日はあるが、幕府長い時間をかけて水元役を廃止した考察される内田茂十郎罷免により、水元役は事実上廃止された。これにより神田上水は完全に幕府支配することとなった

※この「水元役について」の解説は、「神田上水」の解説の一部です。
「水元役について」を含む「神田上水」の記事については、「神田上水」の概要を参照ください。

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