殺人刀と活人剣とは? わかりやすく解説

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殺人刀と活人剣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 14:13 UTC 版)

剣術」の記事における「殺人刀と活人剣」の解説

殺人刀せつにんとう)」と「活人剣かつにんけん)」とは、元来は禅の『無門関』・『碧巖録』などの公案での用語である。 上泉信綱1566年永禄9年2月肥後国丸目蔵人佐与えた印可が「殺人刀・活人剣」とあり、また一刀流本目14に「まんじ・殺人刀・活人剣」という名前が見られるように、武術に対して、他の禅の用語と同じく大きな影響あたえた兵法家伝書 江戸時代初期柳生宗矩が『兵法家伝書』において、次のように禅とは異なる意味で使用した。 「一人の悪に依りて萬人苦しむ事あり。しかるに一人の悪をころして萬人をいかす、是等誠に、人をころす刀は人をいかすつるぎなるべきにや」、「人をころす刀、却而人をいかすつるぎ也とは、夫れ亂れた世には、故なき者多く死する也。亂れたる世を治め爲に殺人刀を用ゐて、已に治まる時は、殺人刀即ち活人劔ならずや。こゝを以て名付くる所也」 仇なす悪に打ち勝って確実に殺すのが殺人刀であって、その悪を殺したゆえに万人救われ活きる」のが活人剣と言う兵法、すなわち刀で人を斬る行為にはこの両面がないとならない諭し日本剣術殺人技法とどまらず昇華したことを示す。ここで臨済宗沢庵宗彭柳生宗矩に『不動智神妙録』を与えたことにより、江戸柳生で「剣禅一致」が説かれ結果として刀法尾張柳生に対して心法江戸柳生と言われたことは史実であり、禅の考え方影響与えたことは否定できない。 なお、現代新陰流に伝わる柳生宗厳書状に、「当流構え太刀を皆殺人刀という。構えのなき所をいずれも活人劔という。また構え太刀を殘らず裁断して除け、なき所を用いるので、其の生ずるにより活人劔という」とある。 上記挙げられている新陰流刀法および兵法武術解釈では、活人剣と殺人剣という言葉別の意味存在する新陰流には「転(まろばし)」と呼ばれる相手仕懸に対して転じて勝つ」根義がある。まず構えずに(新陰流ではこれを「無形の位」と呼ぶ)相手仕掛けさせ、それに応じて後の先」を取るわけである。ここでの活人という言葉は「相手(すなわち人)が動く」という意味で用いられている。この場合活人剣とは逆の意味で、自分から構え取って斬り込むことを殺人剣と呼ぶ。また「転」の根義により「浅く勝つ」こと、主に小手小さく鋭く打ち込む斬撃多用されるため(技法、魔の太刀、くねり打ち一刀両段、西江水などにも見られるが、最も典型的な技法は「転打ち」である)、結果として相手致命傷与えず勝つことも多くその結果として「活人剣」と呼ばれることもある。

※この「殺人刀と活人剣」の解説は、「剣術」の解説の一部です。
「殺人刀と活人剣」を含む「剣術」の記事については、「剣術」の概要を参照ください。

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