武利意森林鉄道18号形蒸気機関車
(武利森林鉄道18号形蒸気機関車 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 13:47 UTC 版)
武利意森林鉄道18号形蒸気機関車(むりいしんりんてつどう18ごうがたじょうききかんしゃ)は、雨宮製作所によって1928年に製造された蒸気機関車である。
- ^ 内務省北海道庁では温根湯森林鉄道をはじめとする各地の森林鉄道の機関車に対して一貫した管理番号を付与しており、このためNo.18が武利意森林鉄道としての機関車のトップナンバーとなる。
- ^ 前年にO&K社へ発注された津別森林鉄道Nos.16・17は10t級であるが価格6,747円となっており、本形式は幾分割高であった。
- ^ 1913年起工、1916年完成。
- ^ 本形式が完成する以前に、大日本軌道→雨宮製作所は帝室林野局小川・王滝森林鉄道1・3・5号(順に1914・1915・1920年製)および秋田大林区署仁鮒森林鉄道5・6号(1917年製)として合計5両の蒸気機関車を森林鉄道向けとして納入したが、特に前者3両は比較対象が日本の森林鉄道向け蒸気機関車として最良といわれたBLW社製B1リアータンク機だったこともあって不評で、1938年までに全車廃車となっている。
- ^ いずれも1920年着工、1921年完成。共にBLW社製B1リアータンク機を導入。
- ^ 津別以外は1922年着工、1923年完成、津別は1925年着工、1926年完成。いずれもO&K社製サイド・ウェルタンク機を導入。
- ^ 日立製作所や日本車輌製造、それに汽車製造といった各社が製作した同クラス機と共に設計製作された、軌間762mm、軸配置1C1の大型タンク機関車。
- ^ 煙管長を短くし、かつその本数を増大させることで、熱効率面で有利となる。
- ^ O&K社製機関車では蒸気ドームを大型化してそこに加減弁を内装するか、さもなくばドームの片側面に加減弁を設置するのが一般的である。
- ^ O&K社製機関車では水平にシリンダーを取り付けるのが一般的である。
- ^ 北海道へ輸入されたO&K社製機関車は全て規格設計のボイラーが搭載されており、火格子部分が石炭専用設計としてあった。BLW社製機関車と同様に火床面積を大きく取ることで、別途他社から購入する必要のある石炭だけではなく各営林署で調達の容易な木材の併用が可能となったことは、運用コストの低減に大きな意味があった。
- ^ 本形式の設計を基本としつつ、弁装置を簡易な構造のコッペル式に変更、ボイラーを小型化して自重を5.5tに半減した、言わば本形式の弟分に当たるモデル。
- ^ 既存のO&K社製機関車の構成を模倣することを発注段階で求められた軸配置B1の10t級特注機。非常に完成度が高く運用現場で好評を博し、雨宮製作所の解散後、同型機の増備を欲した青森営林局が楠木製作所および岩崎レール商会の2社にわざわざこの形式の設計図を元にデッドコピーした機関車を製造させたほどの成功を収めた。なお、この車両は各部設計について本形式との共通点が多く、O&K社製機関車の構成を模倣と言いながら、雨宮製作所技術陣の個性が強く前面に押し出された設計であった。
- ^ ただしこれらの設計手法は、雨宮の倒産に前後して現れた富山県の本江機械製作所(後の立山重工業)や、その後に続いた福島県の協三工業、あるいは北海道の中山機械といった地方の中小機関車メーカーが手がけた産業用小型蒸気機関車群の範となった。
- ^ 武利意森林鉄道と同時期に建設が進められたが、専用の機関車新造は行われず、他線の余剰車が転用投入された。
- ^ 落合森林鉄道の軌条や車両などの資材一式を転用して建設された。
- ^ a b c 『新丸瀬布町史』(丸瀬布町、1994年)
- ^ 『鉄道聯隊の軽便機関車 上』p.41
- ^ 「日本鉄道保存協会総会より。(上)」『編集長敬白』、名取紀之、2010年10月13日
- ^ 林野庁は代替として同じ北見営林局管内の米ボールドウィン製置戸森林鉄道3号機(1921年製)を抜き打ちで地元置戸町から運び出した。
- ^ 交友社『鉄道ファン』1996年11月号 通巻427号 p.94 - 97
- ^ 吉田芳彦 (2008年9月15日). “「雨宮21号」80歳のお祝い 北海道でイベント”. asahi.com 2012年10月15日閲覧。
- ^ 『準鉄道記念物の新規指定について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2012年10月11日 。2012年10月15日閲覧。
- ^ 「準鉄道記念物に「雨宮21号」」 『交通新聞』 2012年10月15日付け、3面。
- 1 武利意森林鉄道18号形蒸気機関車とは
- 2 武利意森林鉄道18号形蒸気機関車の概要
- 3 運用
- 4 脚注
- 武利意森林鉄道18号形蒸気機関車のページへのリンク