機械技術に基づく人工臓器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 22:26 UTC 版)
「人工臓器」の記事における「機械技術に基づく人工臓器」の解説
セラミックス製の人工骨やインプラント治療で用いられる歯科材料、更には機械式の補助人工心臓等がこれにあたる。他の例としては、心臓疾患の患者に直接埋め込んでしまう心臓ペースメーカーや、白内障の悪化によって水晶体を除去された患者の眼球に直接埋め込む人工水晶体等もこれにあたる。 更に近年、臨床試験が完了して実用化されている人工臓器としては、電子工学技術と脳の聴神経との接続によって耳の聞こえない人に聴覚を与える人工内耳も挙げられる。また、多点電極を用いて視覚中枢へ電気刺激を行う事によって目の見えない人に視力を与える人工視覚システム(人工網膜、人工眼)の実用化に向けて研究開発が進んでいる。 近年では、体力の衰えや不慮の事故等によって生じた機能障害を補助する事を目的として、機械とコンピュータ技術を組み合わせた、人工肢や人工腕、更には補助装置等も実用化に向けた開発が進んでいる。これまでは、自分の意思で義手や義足を動かす事が出来なかったが、運動神経系から生じる微量な電気信号をキャッチする事ができるセンサーの開発等によって、自分の意思で義手や義足を動かす事が可能になった。無論の事ではあるが、今後は感覚神経系とのフィードバック等も考慮に入れた人工肢や人工腕等の開発も進むものと思われる。これによって、失われた感覚等を取り戻せる可能性もある。 更にこれらから一歩進んで、脳神経機能そのものを制御する試みも開始されている。例えば、日本の東北大学では、ペルティエ素子と経皮エネルギー伝送システムの組み合わせによる脳神経機能後期機能制御装置の開発を進めている。このシステムは、てんかんなどの脳神経系における病的発作に対し、完全に無侵襲的に対応できる点で特徴をなす。
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