椀を持つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 01:31 UTC 版)
日本ではかつて卓を使って食事する習慣がなく、箸を使用する事、また畳の上に正座し、かつ低い膳を使用していた歴史から、茶碗を手に持って食べる文化がある。更に、ご飯茶碗や味噌汁の椀などを手で持たずに食べたり、皿に身を乗り出して口が料理を「迎えに行く」ことが無作法とされる(→犬食い)。和食を食べる限りにおいては椀を持つことが正しい作法である。日本国内の和食においては椀を手に持つ事が基本ではあるが、例外は本サブセクションにて後述。 椀の持ち方は、左手の指を平たく伸ばし、親指を起こして椀の縁に引っ掛け、残りの四本が底のところにある「糸底」(底の円周状に突起している部分)をのせるようにして持つ。こうすれば椀や丼の中身が熱いスープ(味噌汁など)でも、熱い思いをせずに持つことができる。人差し指・中指・薬指・小指はまっすぐそろえたほうが、より洗練された持ちかたに見える。陶器でできたやや重たい椀は、安定して持つために親指のつけねを縁につけて安定させる。 茶道では、茶碗を両手で持つ事が作法となっている。正確には、主に右手で容器を持ち、左手は容器の底部に添えて軽く支え、正面を向いたまま、口に飲み物が入ってくる程度でそっと容器を傾けるというものである。これは、飲む行為そのものを美しく行うことを主眼としている。 椀以外の食器 重箱や丼鉢は手にして持ち上げるかどうかは随意である。中華料理の麺料理をルーツとし日本独自の料理となったラーメンの丼は、手を添える事があっても器を持ち上げなくても作法上で問題とはされない。 家庭料理ではしばしば洋食と呼ばれる日本国外の料理が日本において和食化している場合もあり、米飯や味噌汁の椀は手に持つものの、料理の盛られた大きい皿は基本的に手で持ち上げて食べる事は行わない。
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