東京都寺改戸遺跡土壙出土品
主名称: | 東京都寺改戸遺跡土壙出土品 |
指定番号: | 483 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1993.01.20(平成5.01.20) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 寺改戸遺跡は、多摩川右岸の沖積段丘上に立地し、標高一六二メートル、現河床との比高一六メートルを測る。発掘調査は、昭和四十九年、五十九・六十年の二次にわたって行われ、縄文時代後期を中心とする二十一基の土壙【どこう】、六基の配石遺構【はいせきいこう】が見つかった。 本件はこのうち、昭和四十九年の調査で、土壙(九号土壙)から出土した注口土器一箇と、小形深鉢形土器一箇である。九号土壙は、長径二二〇センチメートル、短径八八センチメートルの楕円形で、その一部を別の土壙によって壊されているが、土壙内の東側と中央部には配石があり、この二箇の土器は東側の立石【りつせき】と思われる配石直下、土壙底面から一括して出土した。 注口土器は、口縁上に把手【とつて】を付け、小ぶりながら優美な形を呈する。把手の取付け部は渦巻風の造形で飾られ、把手上面、両側面に各一条の沈線がある。また胴部には、前後左右ほぼ対称に割り付けられた渦巻文、幾何学文がていねいに施されている。把手から底部に至る無文部には入念な研磨がなされ、底面には網代痕【あじろこん】がつく。発見当初、朱彩が認められたが、現状では白灰色化し、僅かにその痕跡を留めるにすぎない。 小形深鉢形土器は、底部が張り出し、直線的に口縁部まで外反する。いわゆるコップ形の土器で、口縁部の内側に一条の沈線がめぐる。内外面ともに研磨され、無文。底部には網代痕を有する。 把手の付く注口土器は縄文時代後期に出現し、その分布は中部・関東から東北地方南部に主としてみられる。本例は、これらの注口土器の中でも、造形・文様意匠が際立って優れ、小形深鉢形土器と組み合って出土した状態とともに、その資料的価値には高いものがある。 |
重要文化財のほかの用語一覧
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