条約締結の後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 21:54 UTC 版)
「アメリカ独立戦争における外交」の記事における「条約締結の後」の解説
アメリカがイギリスから受け取った主権によって自動的に植民地状態が消滅した。同時に地中海におけるバーバリ海賊からの保護も無くなり、バーバリ戦争に繋がった。アメリカの各州は連邦の推奨である第5条を無視してロイヤリストの財産没収を再開し、第6条の侵犯、すなわちロイヤリストの財産を「未払い負債」として押収した。幾つかの州、特にバージニア州は第4条も受け付けず、イギリスの債権者への負債の返済に対抗する法律を維持した。個々のイギリス兵は第7条の規定である奴隷制の廃止について無視した。 北アメリカの実際の地形は、条約のカナダとの国境に関する詳細と合わないことが分かった。条約ではアメリカ合衆国の南側境界を規定したが、別の英西合意ではフロリダの北の境界を規定しておらず、スペイン政府はその境界がフロリダ領土をイギリスに初めて渡した1763年合意と同様であるとみなした。その論争が続く間、スペインのその新しいフロリダ支配では第8条を無視してアメリカがミシシッピ川に近付くことを妨害した。 五大湖地域では、イギリスが「あらゆる可能な速度で」その支配を放棄すべきとした規定を大変緩やかに解釈した。というのもその地域をアメリカ合衆国の支配外のままとしていながら、条約の中では完全に無視されたインディアンと交渉する時間が必要だったからである。その交渉が終わった後でも、イギリスは押収されたロイヤリストの資産に対する補償を得たいと考えて、取引材料としてその地域の支配を続けた。この事態は1794年のジェイ条約で最終的な決着が付けられ、アメリカは1787年の新憲法成立と1794年のフォールン・ティンバーズの戦いでの勝利によって、これら全ての点での取引能力が大きく強化された。
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